第15話 ページ16
A「待って！衣更くん！！落ち着いて！！」
「大丈夫だ。十分俺は落ち着いてる」
私が衣更くんにしがみつき、衣更くんは購買へ向かおうと全力疾走しようとしている
なぜこんなことになってしまったかと言うと
「ゼリー飲料だけなのか！？」
A「うん。ご飯作れないし…」
「お母さんとかに教えて貰ったら？」
A「……私お母さんいないの。両親は私が小さい時に離婚しちゃって…でも離婚してすぐにお母さんが蒸発しちゃったから」
「え？」
A「親戚の家に預けられたんだけど歓迎されてないからろくなもの食べてなかったし…それで高校生になって家を追い出されたの。でも可哀想に思った遠い親戚が援助してくれて家があるし学校にも行けてるの。だから、急に一人暮らしで炊事洗濯しろって言われても出来なくて……」
初めて身の上話をした気がする
変な空気になるからあんまりしたくなかったんだけど
「Aーーーー！！！だから毎日ゼリー飲料だったんだね！！うぅ…俺ちょっと泣きそう…グスッ」
「泣いてるじゃん！あ、ヤバい僕ももらい泣きしちゃった……！」
え、泣いてるの！？
話しただけなのに？！
「大丈夫だA。Aは今日からTricksterの子だ」
A「え？」
「それは名案だな衣更！」
「私たちが今日から友達兼親だから！」
ちょっと待ってついていけない！
A「よく考えたら母1人に対し父4人って複雑すぎない？！家庭環境！！」
「細かいことは気にしない！あ、俺たちは親だからご飯用意しないとね☆」
なんか嫌な予感がする……
「衣更くん！今すぐ購買に行ってご飯を買ってきて！」
「任せろ！」
え？！待ってよ！
なんでそうなるの！？
A「ちょっと待ってよ！何でそうなるの！？」
「何言ってんだよA。子供にいいもん食わしてやりたいって思うのは当たり前だろ？」
違う
私が言いたいのはそこじゃない……
A「ていうか親設定もうやめようよ！！」
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作者名：みくる | 作成日時：2023年7月13日 1時
