華麗な踊り子は裏の世界では有名です【ジャーファル】

07：7つの絶対条件 ページ7

きっと、彼は人の死を見た事がないのだろう
ましてや殺すことなどしたことはないはず
だからその恐れが脂汗となって滲んでいるのだ




「わ、分かってる！」


「ではまず条件１つめの確認です」


条件１.
依頼者は必ず報酬を持参する
報酬は金以外でも値打ちがあれば良しとする




「ルビーのペンダントを持ってきた。売れば数十万D(ﾃﾞｨﾅ-ﾙ)にはなるばすだ」


「OKです。２つめ」



条件２.
依頼者は報酬を前払いか後払いかを選ぶ
後払いを選んだものは現場に立ち会い、死を見届けなければならない
報酬はその後に払う




「あ、後払いで頼む！宝石だけ持ってかれたらたまらないからな！」

「随分信頼がないみたいですね...。まぁいいです。では３つめ」



条件３.
国王や王子王女(皇子皇女)、またその付き人に当たる人物は多大なリスクしか残らないため、受け容れることは出来ない



「大丈夫だ」

「分かりました。４つめ」



条件４.
依頼者は殺しの日時を設定する



「今度の満月の晩､時間は真夜中。日付がかわる時間帯だ」


「了解です。５つめ」



条件５.
このことを他言してはいけない



「だ、大丈夫。俺は口が堅いんだ！」


「安心ですね。６つめ」



条件６.
依頼した以上、その約束を取り消すことはできない



「あの男がいなくなるなら....この国のためだ。取り消すなんてしない。それが俺の覚悟だ」


「これで、依頼完了です。
では今度の満月の晩、この場所で待っています。貴方は私を現場まで誘導してください。
必ず見つからない事。
これが７つめの....最終条件です」


「わ、分かった」


「では」





私は男にそう釘をさし、また楽しい輪の中に戻って行った


振り返ると男は震えながら何かを考えている様子だった


でも、私に殺しを頼んだ以上、条件は絶対ですから

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