21:重症 ページ21
「はぁ……」
全くもって進まない仕事を前に思わず溜息が出る。
何をしても、頭がぼーっとし浮かんでくるのはあの死体だけ。
始末書も書かなければならないし、それ以前に渡された資料に目を通さなければならない。
「インク、買ってきますね」
近くの文官にそう言い渡し、私は束の間の現実逃避をする事にする。
SAiNAに通うようになったのはここ最近の事だ。
理由は多分2つ。
コーヒーが美味しいと知ったから。
もう一つはAさんが働くようになったから。
私の場合、男であるから後者の割合が高いだろう。
下心と言うわけではないが、出来るならばもっと色んなことを話して、彼女のことを知りたいとは思う。
けれどそう出来ないから、足蹴なく通い、顔を覚えてもらおうと必死になっているのだ。
「こんにちは」
「あ、ジャーファルさん。こんにちは。お好きな席へどうぞ」
静かな店内と、彼女の笑顔。
それだけで肩の力がふっと軽くなる。
SAiNAが出来たことが一種の運命ならば、彼女に出会うこともまた運命なのだろうか。
「プレンドコーヒーでよろしいですか?」
「はい、お願いします」
そんな事を思ってしまう私はよほど重症らしい。
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棗(プロフ) - リペアさん» ありがとうごさいます!嬉しいです!喜んで受けさせていただきます!(`・ω・´) (2015年3月28日 19時) (レス) id: d13c5b8c4a (このIDを非表示/違反報告)
リペア(プロフ) - とっても面白いですねっ(´∀`*)/ あと、友希です(笑)申請しますので気が向いたらよろです!! (2015年3月27日 0時) (レス) id: f130a9e1a5 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ*。(プロフ) - 棗さん» そうですね…(´∀`) (2014年8月16日 22時) (レス) id: 12de84e996 (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - ねこみみ*。さん» こみゅ〜で申請した方がいいですか? (2014年8月16日 22時) (レス) id: d13c5b8c4a (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ*。(プロフ) - 棗さん» お願いしますっυ(`・ω・´)υ (2014年8月10日 23時) (レス) id: c638ddceb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:棗 | 作成日時:2014年8月5日 22時