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13:満月の晩に ページ13

時は速く過ぎ去るもので

私がシンドリアに来た日は三日月だった月が、今宵はもう満月だ

依頼されたこの日、私は人を殺さなければならない


昼はSAiNAで働き、夜は──


足音を立てずに宿屋を出た


男性より速く待ち合わせ場所に到着し時を待つ


全身が震えていた

恐怖か、狂気によるものか

かつては護身用として持っていた短剣を握り締める

細く長いその短剣は、今まで数えきれないほどの人の命を奪ってきた

きっと拭っても拭いきれないほど、怨念がまとわりついている事だろう


ただ後悔はしていない

だって────


「おい、こんな所に何の用があるんだよ」

「ざ、財宝が眠ってると聞いたんだ。だ、だからそれを掘り起こそうと......」


その話し声で我に返る

目を閉じて、深く息を吸った


「なんだ、お前?」

「......私はただの踊り子です。そして今から貴方を殺します」

にっこりと、自分でも分かるくらい嫌な笑顔を向ける


「何言ってんだ、小娘が。そんな細い腕で俺を殺せるわけがないだろ」

確かに、目の前の男は強靭で、戦いの経験がありそうだ

だけど 、

「あら、女だからって舐めないでください。私だって人一人殺す事くらい出来ますよ。こんな風に......」


短剣を逆手に持ち、素早く相手の背後を取る。


「さよなら。いい夢を」


その言葉と同時に、赤い鮮血が勢い良く溢れ出す

後ろにいた私の頬にも返り血がついた

首の動脈を切ったことで、相手は即死で......

あの世行き


「ヒッ......」

「終わりました。報酬を頂けますか」


微笑んで手を差し延べる

男は懐から立派なルビーのペンダントを取り出すと、私の手の平へと乗せた

これで


「毎度あり」


任務完了

私はその場を後にした

14:辻斬り魔→←12:コーヒー



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(プロフ) - リペアさん» ありがとうごさいます!嬉しいです!喜んで受けさせていただきます!(`・ω・´) (2015年3月28日 19時) (レス) id: d13c5b8c4a (このIDを非表示/違反報告)
リペア(プロフ) - とっても面白いですねっ(´∀`*)/ あと、友希です(笑)申請しますので気が向いたらよろです!! (2015年3月27日 0時) (レス) id: f130a9e1a5 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ*。(プロフ) - 棗さん» そうですね…(´∀`) (2014年8月16日 22時) (レス) id: 12de84e996 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ねこみみ*。さん» こみゅ〜で申請した方がいいですか? (2014年8月16日 22時) (レス) id: d13c5b8c4a (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ*。(プロフ) - 棗さん» お願いしますっυ(`・ω・´)υ (2014年8月10日 23時) (レス) id: c638ddceb3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2014年8月5日 22時

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