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12:コーヒー ページ12

「送っていただき、本当に有難うございました」

「いえ、大丈夫ですよ」


彼女をSAiNAへ連れていくと、お礼にコーヒーをご馳走すると言われたのでその言葉に甘える事にした私

あくまでも、お礼ではなく純粋にコーヒーを飲みたいと思ったからだ


「どうぞ」

「あ、すみません」


彼女が開けてくれたドアから中に入った


店内はシックな造りで全体的に落ち着いた感じ
挽き立てのコーヒーの匂いが漂っていて
他にも数名の客がいた


「少々お待ちください」


彼女は私を席に案内すると、カウンターへと入っていき店主に何かを言っている

私の注文のことだろうか


ぼんやりと眺めていると、彼女がカップにコーヒーを注いでいるのが見えた


「お待たせしました」

「有難うございます」


目の前に置かれるカップ
揺れた為にその水面には波ができている

手に持てば少し熱いと感じる程度にコーヒーの熱さがカップに伝わっていた

ゆっくりと(すす)りながら口に含むと驚くほどにスッキリとして飲みやすかった

今まで飲んでいたコーヒーとは違う

何にも似ていない

独特の味

美味しくて、つい感動した


「美味しい....」

「ふふ、ですよね。私も昨日飲んだ時にびっくりしました」


そう言って笑う彼女の名前は何と言うのだろう

ふと、ここまで来て名前を尋ねていないことに気付く


「あの....お名前は....」

「Aといいます」


何故彼女が笑うと、こんなにも顔が熱くなるのだろうか


少なからず胸が高鳴っている



そしてつい溢れた言葉───


「また、来ます」


お金をテーブルに置き、私はSAiNAを後にする私

後にそれが逃げる口実だったと気付くのは意外と早かった

13:満月の晩に→←11:美しい



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(プロフ) - リペアさん» ありがとうごさいます!嬉しいです!喜んで受けさせていただきます!(`・ω・´) (2015年3月28日 19時) (レス) id: d13c5b8c4a (このIDを非表示/違反報告)
リペア(プロフ) - とっても面白いですねっ(´∀`*)/ あと、友希です(笑)申請しますので気が向いたらよろです!! (2015年3月27日 0時) (レス) id: f130a9e1a5 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ*。(プロフ) - 棗さん» そうですね…(´∀`) (2014年8月16日 22時) (レス) id: 12de84e996 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ねこみみ*。さん» こみゅ〜で申請した方がいいですか? (2014年8月16日 22時) (レス) id: d13c5b8c4a (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ*。(プロフ) - 棗さん» お願いしますっυ(`・ω・´)υ (2014年8月10日 23時) (レス) id: c638ddceb3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2014年8月5日 22時

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