4話 ページ6
Noside
｢あれ、意外だね。絶対歩いて帰ってでも乗らないと思ってたのに｣
暗闇から歩いてきた涼香を見て、英智は車の中からからかうように言った。
｢別に、貴方の好意にわざわざ甘えてあげてるだけよ｣
｢ふふ、それは感謝しないとね｣
そういって、嫌味を
｢そんなことよりはやく家に帰りたいんだけど｣
｢どうぞ、涼香様｣
｢…………｣
何も言わずに車に乗る涼香を見て、英智は苦笑いを浮かべて西園寺家へと向かった。
────────────────────────────
in西園寺家
｢──･･･お父様！｣
慌てて応接間に入って来た涼香を天祥院家、西園寺家両者の3人の目が捉える。
｢涼香、天祥院様がお越しになられている。挨拶しなさい｣
｢やぁ、久しぶりだね涼香さん｣
｢........お久しぶりです天祥院家当主様｣
そう言った涼香の隣を天祥院家の当主が通り過ぎる
｢では、私たちは外にいますので.....お嬢さんの準備が整ったら来てくださいね。
きっと私の息子も楽しみにしていますよ涼香さん｣
｢出来損ないの娘ですが、どうぞ宜しくお願い致します天祥院様。さっ、はやく準備しなさい涼香｣
そう言われるも、1歩も動かない涼香は声を震わせて自身に言い聞かせるように言う。
｢........どういうことか説明していただいてもよろしいですか、お父様、お母様。
なぜ
なぜ同格のはずの天祥院家に頭を下げていらっしゃるのですか…
私は＿＿＿＿
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作者名：ペコの助 | 作成日時：2020年8月8日 22時
