12夜*妖の群れ ページ18
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目が覚めれば、見知らぬ場所だった。
ゆ「A!」
カナ「Aちゃん!大丈夫!?」
貴「(ゆら…カナちゃん…よかった…)」
見渡すと私たちは大きなハムスターゲージの中にいた。
旧鼠「どうだ…?ネオンの光の中…処刑される気分は…?」
ゆ「な…処刑…?」
旧鼠「そうだ…あの…三代目のガキが…約束を破ったらな…」
ゆ「三代目…?何のことや…?旧鼠…アホなことはやめるんや!!えぇかげんにしい!!」
「おい女…その名で呼ぶなや。この街ではな…
星矢さんって呼べやーー!!」
旧鼠の下っ端らしい男がゆらの制服を破いた。
「式神も持ってないてめーはただの女だよ」
カナ「ゆらちゃん!」
旧鼠「さて…そろそろ時間だな。ま…来ないなら来ないでオレはかまわんがな…
知ってるか…?人間の血はなぁ…夜明け前の血が一番ドロッとしててうめぇのよ。
ちょうど…今くらいのなぁ…?」
下端たちがゲージの中に入ってきた。
貴「…っ」
三代目が来るとかどうとか知らないけど…
もしその三代目が来るなら…せめて、時間稼ぎを!
私は覚悟を決めてゲージの中にあった尖った木で左手に傷をつけた。勢いよくやったので血がポタポタと流れ落ちた。
旧鼠「!!なんだ…この異様に旨そうな匂いは…他の人間の血の匂いとは違う」
ゆ「Aあかん!!何しとるんや!?」
カナ「Aちゃん血が…!」
旧鼠が私を見た。
妖怪にとって私の血は極上らしい。恍惚な表情をした鼠たちが物欲しそうに床に垂れた血を凝視している。
旧鼠「その娘をオレの前に連れてこい!!」
下っ端が私を連れて旧鼠の前に差し出した。
旧鼠は血が流れている私の左手を掴み上げ、伝う血を一舐めした。
旧鼠は狂気の目で私を見る。
旧鼠「一舐めしただけで妖力が上がってくる…!
このまま娘を喰っちまえば…
オレは魑魅魍魎の主になれるぜえぇぇぇぇぇ!!」
ゆ「Aーーーー!!!!」
貴「っ……(死ぬっ…)」
私は目を瞑った。
だがいつまでたっても痛みがこない。
「なんだ…?ありゃ…」
貴「…?」
そこに、妖怪の群れが。
その先頭に立っている、見覚えのある男がいた。
「へへへ…」
「久しぶりの出入りじゃあー」
「あばれるぞー」
ゆら「うそ…」
貴「…(あの人…は)」
?「待たせたな…ねずみども…」
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黒なっち(プロフ) - 兎月-ウサヅキ-さん» あああああありがとうございますぅぅ!!!(*^o^*) (2017年9月20日 17時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
兎月-ウサヅキ-(プロフ) - めっちゃ面白いです!!続き頑張ってください!!(*´∀`*) (2017年9月20日 17時) (レス) id: 22afd2de23 (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - ティナさん» はいです!!(*^o^*) (2017年9月20日 17時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
ティナ(プロフ) - 頑張ってください!楽しみに待ってますね! (2017年9月20日 17時) (レス) id: 3659efa7cf (このIDを非表示/違反報告)
黒なっち(プロフ) - ティナさん» よ、よかった!!ありがとうございます!!(ToT)/ (2017年9月20日 17時) (レス) id: 7cc44f4473 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒なっち | 作成日時:2016年4月14日 0時