冒険の傷痕:25 ページ27
「…あれじゃない?」
「ああ。いかにもって感じの宝箱だな」
隠れているわけでもなく、わざとらしくそこに置かれている宝箱から、案の定いたずらデビルが飛び出す。
「ジャジャジャジャーンッ!参上!オレはいたずらデビル!」
「…」
「……」
「ふ〜ん…………で?」
いたずら、とは子供向けのような、子供と子供がじゃれ合うような、いや私が言うことではないのだが、なんとも稚拙ないたずらだった。まぁ、想像通りすぎて逆に笑えてくる(しかし終始真顔である)。
私達のなんとも薄情な反応を見て拗ねたのか、いたずらデビルはウゲーッ、と唸る。
「リアクションが悪いぞ!ならこれでびっくりさせてやる!」
いっくぞー!と指の先から放たれたビームもひらりとかわす。その様子を見て、いたずらデビルは悔しそうに地団駄を踏んだ。
「おいおいどうした、それで終わりか?もっとびっくりさせてくれよ」
カミュが挑発的な言葉を投げる。その言葉が火種となったのか、思いっ切り顔をしかめたいたずらデビルは生意気なヤツらめ!と叫んだ。
私もいたずらデビルの立場だったら、こんな顔であんなことを言われたら腹が立つ。いいぞカミュ、もっとやれ。
「なら今度はオイラの強さでビビらせてやる!いくぞぉっ!」
「来るぞ」
武器を取り、戦闘の構えに入る。
「ねぇ、君よりもっと面白いいたずらを教えてあげるよ」
そう言うと、イレブンは不敵に微笑んだ。
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千織(プロフ) - チロル/CHIROLさん» チロルさん、初めまして!有難いコメント、とても嬉しいです…!これからも精進していくので、見守って頂けたらと思います! (2018年11月3日 7時) (レス) id: 43a89afe6e (このIDを非表示/違反報告)
チロル/CHIROL - はじめまして!ドラクエファンなので、ドラクエの夢小説を書く人がいるのか!と驚き拝見させていただきました!掴みにくい世界感を表現されていて千織さんはすごいと思いました!これからもがんばってください! (2018年11月2日 22時) (レス) id: f7aec74604 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千織 | 作成日時:2018年10月29日 20時