冒険の傷痕:10 ページ12
「私を救ってくれた恩人が、《悪魔の子》であるはずがありません。…貴方は【勇者】なのだと、この身をもって証明しますよ」
嘘偽りのない言葉だ。名前も知らなかった私を助けてしまうほど優しいこの人が《悪魔の子》であるはずがない。
私はそう確信しているのだ。
イレブンは私の方をしばらく向いていたが、真意が伝わったのか、ふわりと微笑んだ。
「ありがとう、A。そう言ってくれて」
「いえ…私の方こそ、我儘を聞いて下さりありがとうございます」
「うん…まぁボクも我儘を言うなら、敬語はやめてほしいんだけどな」
「あはは、昔からの癖でして。…なるべく、善処します…じゃない、するね」
「うんうん、その調子でさん付けもやめて欲しいなぁ〜」
「ちょ、流石に我儘を言い過ぎでは、勇者様」
「えへへ、冗談だよ〜」
ほんわかしていて、ちゃんと考えているのかもしれない。私を気遣って場を和ませてくれたのかもしれない。
そう思うと、なんだか申し訳なくなった。
「…じゃ、一区切り着いたところでお前は寝てろ。まだ体調が戻ってないんだから」
「あっ、そうだね、ごめんねA」
じゃあ後でね、と手を振ったイレブンが、何を思ったのかこちらに戻ってきた。
「これから、"仲間"としてよろしくね、A」
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千織(プロフ) - チロル/CHIROLさん» チロルさん、初めまして!有難いコメント、とても嬉しいです…!これからも精進していくので、見守って頂けたらと思います! (2018年11月3日 7時) (レス) id: 43a89afe6e (このIDを非表示/違反報告)
チロル/CHIROL - はじめまして!ドラクエファンなので、ドラクエの夢小説を書く人がいるのか!と驚き拝見させていただきました!掴みにくい世界感を表現されていて千織さんはすごいと思いました!これからもがんばってください! (2018年11月2日 22時) (レス) id: f7aec74604 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千織 | 作成日時:2018年10月29日 20時