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私は横目で教授をとらえながら、しっかりと前を向いて堂々と歩いた。
気分が悪そうなハリーを弱々しい笑顔で見つめながらも、かくして組み分けの儀が始まるのだ。
マクゴナガル先生が読み上げる新入生の名前。
そうして、緊張した新入生は組み分け帽子を被る。組み分け帽子が寮を叫んで、拍手喝采。
そのやりとりをぼんやりと眺めて、油断したら圧倒されてしまいそうな厳かな雰囲気に驚いた。
ハ「僕、どこになるんだろう」
ぽつりと私の方を見て呟いたハリーは、明らかに何らかの言葉をかけて欲しいと心に訴えている。
『どこって、君が行きたい場所だよ』
「僕の行きたい場所?」とハリーはオウム返しで私の言葉を繰り返す。
言葉の本質が理解出来てなさそうなハリーに私は、ケラケラと歯を見せて笑った。
『そう、 君の行きたい寮はどこなの?』
ハ「僕、まだよく分からない。でも、ロンと一緒の場所がいい────それとも君とも」
『なら心配いらない』と小さく呟いた。
『何一つ心配なんかないんだ。今の君で十分なんだから』
そこまで言い終えると、ハリーは何か珍しいものを見たように淡い綺麗な緑の瞳を大きく開いた。
しばらくの時間が経過していた。ハーマイオニーもロンもハリーも組み分けの儀を終えていく。
次々に呼ばれていく。そうしてやっと私の番が回ってきた。
マ「A・ブラック────」
「やっぱり、A・ブラックだって予言の子だ」
「僕も日刊予言者新聞で見たよ''昔話、予言の子現る''って記事」
口々に話される昔話の話。またもやざわめきが広がり、誰もが奇々怪々なことを話し出す。
少しばかり疑念を残して呼んだマクゴナガル先生は、厳格な顔つきから不安げな顔が垣間見える。
当の本人である私は、しっかりとした足取りで前に進み出た。視線を見定めて、自分が歩くべきところを見つめた。
椅子のところまで行けば、振り返って大勢の生徒からの熱心な視線を意に介さず、帽子をかぶる。
ほんの少しの間が開けられた時、頭の上でうにゃうにゃと帽子が動き出すのを確かに感じられた。
「おやおや、これは……あの4人が言っていた全知全能の子ですな」
私は、どうなるものだろうと感じていた。ここまで来たら、ハリーと一緒のグリフィンドールに入った方が絶対いい。
しかしブラック家の者だから、スリザリンに入れられやしないかと、私は訳もなく逡巡する。
そうして幾多の生徒が私を見ていることなど、もはや眼中になかった。
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白眉(プロフ) - いさん» そう言ってもらえると嬉しいです! 最新話で待ってます! (2022年5月11日 19時) (レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
い - コメ失礼します…作者さん文才ありすぎでは…????凄くなんかあの、とにかく文の構成とか語彙の使い方がすごく好きです!!頑張ってください応援してます!!続き読んできます!!! (2022年5月9日 14時) (レス) @page5 id: 195510f68a (このIDを非表示/違反報告)
白眉(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます!挫折しないように心を強く持って制作に試みたいと思います! (2022年3月2日 9時) (レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 初コメです。おにきり食べたいさんから、紹介されてお邪魔しに来ました。私も個人的にハリポタの夢小説を投稿している身なので、ハリポタのシリーズは長くて途中で、挫折してしまうこともあると、思います。余計なお世話かもしれませんが、陰ながら応援しています。 (2022年2月28日 14時) (レス) id: df12d0aab7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:T | 作成日時:2022年2月4日 23時