甘いような苦いような君の言葉。 ページ23
『お隣さん』
お隣の耳に声が聞こえる。何だろう、とお隣は後ろを振り向く。
Aがお隣の方にかけてくる。下を向いたままのAからは表情が読めない。
Aはそのまま勢いよく走って、お隣に両腕を伸ばす。
わ、とお隣が驚いた次の瞬間に、Aはお隣を抱きしめる。強く強く抱き締める。
花びらが舞う。優しく軽やかに穏やかに笑うように。
『ただいま』
Aが顔を上げる。穏やかにお隣に微笑む。
お隣は泣きそうな顔で、でも目を瞑ってもう一度目を開く。開いて、微笑む。
「おかえりなさい、Aちゃん」
記憶が戻ったんだと、分かった。
*
『やあどうも、"宇髄さん"』←※記憶戻った人
「嗚呼、A。どうしたんだ?」←Aが記憶戻ったって知らない人
嗚呼、とAは呟く。宇髄の目を見て口を開いた。
『宇髄さんは記憶を失う前の私のこと、どう思ってましたか』
記憶を取り戻す参考にしようと、と付け加える。(※記憶はもう戻っている)
「どうって‥‥無茶苦茶で、鬼に勝てねぇのに計算ずくで鬼からは逃げるやら、おはぎは綺麗に顔面に投げてくるやら‥」
『なるほど(一回しか顔面に投げたことはないですがね)』
懐かしいような呆れるように遠い目で宇髄は答える。言って、だから、とひとり言のように小さく、呟く。
「___…だから。まさかこんなに好きになるなんて思わなかったわ」
『_____……は、』
虚をつかれたようにAは宇髄を見上げる。目を見開く。そして、唇を噛んで俯く。
______無理だよ、ど派手くん。と。
『………へぇ。なるほど』
「いや割と大事なこと言ったんだから、受け流すなよ!!……まあ、記憶戻ってねぇし、関係ないと思うかも知れないけどな」
『あ、そういえば"宇髄さん"。一ついい忘れてたよ』
「?なんだ?」
『記憶が戻ったんですよ、"ど派手くん"』
口に出せないその言葉を君に贈ろう。→←知らない誰かとした約束。
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ひいらぎ・いろ - 小冬さん» ありがとうございます、いつも小説を書く度に面白いか凄い不安になって、、そう言ってもらえて凄く凄く励まされます!これからも頑張ります! (2021年5月2日 7時) (レス) id: 3d1bfbcbe7 (このIDを非表示/違反報告)
小冬 - とっっても、面白かったです!!もう、夢主の反応とかがめっちゃ面白くていつも思い出して笑っています!!これからも頑張って下さい!! (2021年5月1日 23時) (レス) id: b394ae1541 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ・いろ - S_t0606さん» コメントがきたことにはしゃぐ人間はこの世にはいます。(ありがとうございます!)なるほど、、確かに夢主よく宇髄さんといますから、、もしかしたら、、? (2020年11月29日 20時) (レス) id: 79b860e9e4 (このIDを非表示/違反報告)
S_t0606(プロフ) - 宇髄さん宇髄さん宇髄天元様で落ちお願いします (2020年11月29日 17時) (レス) id: 3664f0360e (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ・いろ - 氷華さん» まさか続編にいけるとは、、(←亀更新人間)こちらこそ、よろしくお願いします! (2020年11月14日 21時) (レス) id: 79b860e9e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひいらぎ・いろ x他1人 | 作成日時:2020年11月13日 0時