十五 ページ17
それから私が長屋に戻ってから一晩経って次の日
私は黙々と食堂で昼食を食べていた。
(流石食堂のおばちゃんの料理、美味しい)
その時、ふと視界の端に深緑色の装束をとらえた。
伊作「Aちゃん!隣いいかな?」
『どうぞ』
伊作「ありがとう!!なんだかこうして会うのも久しぶりな気がするね」
そりゃ学園中を毎日貴方達から逃げ回りながら生活しているのだから当然だろう。
貴方達の迷惑の所為で、食堂でご飯をまともに食べれたのも久しぶりなのだ。
私は少し嫌な予感がして背中に寒気を感じた。
仙蔵「ああ、伊作ちょっと隣いいか?」
少し経って仙蔵
七松「A!前の席座ってもいいか?長次も一緒なんだ」
長次「モソ」
文「お、皆いるのか」
小平太、長次、文次郎まで来た。
しかし私は逃げることなく、またおばちゃんの料理を口にする。
食堂では委員会関連の争いは禁止されている。よって此処では停戦状態なのだ。
しかし此処を出てしまえば、また元通り
つまり外で待ち伏せされる可能性が出てくるので早く食べないと逃げ切ることはできない。
(皆めっちゃ早食いしてる……いい加減に諦めろよ)
「おい!!!!」
いきなり大声で食堂に怒鳴り込んできた奴がいて、誰かと思えば、
『お久しぶりです。留三郎』
留「おー、久しぶり……じゃねぇ!!A、お前の所為で学園がめちゃくちゃだ!!!」
『……え?』
留「お前を捕まえるために設置された罠の撤去、お前を探し回る際に破損した戸や壁の修理などなど……お前が委員会に入らない所為で用具委員会の仕事が増え続けている!!!!」
おっと……まさかそんな大事になっていたとは思ってなかった。
留「この際もう何処の委員会でもいい!入れ!!」
『えー……』
「ではA先輩、火薬委員会に入っては?」
『お断りします』
後ろから話に入ってきたのは久々知兵助。
笑顔で話しかけてくれるし、他と違って戦いもあまり仕掛けてこないのだが、去年は火薬委員会顧問である土井先生を使って私にサインを書かせようとした策士である。
(此処は早めに退散しないと)
今にも留三郎がキレて鉄双節棍出しそうな勢いである。
『ご馳走様でした。おばちゃんごめん、食器お願いします!』
私は米粒一つ残さずに食べ終えると食堂のおばちゃんにそう叫んで食堂を出た。
去り際に食堂のおばちゃんがくれたウインク
頑張ってと言ってくれている。
私は外へと一目散に駆けた。
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ゆかり(プロフ) - あー、喜八郎と一緒に寝たい人生だった (12月24日 18時) (レス) @page16 id: c2f7bbb147 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - 夢主さん最高 (2023年3月13日 19時) (レス) @page50 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ餅 - 面白かったです✨(*`▽´*) (2023年2月22日 0時) (レス) @page50 id: 12d02573a8 (このIDを非表示/違反報告)
勘ちゃんに食べられたいお菓子🍡 - 面白かった〜 (2023年2月15日 0時) (レス) @page50 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - お話良かったです、素敵な作品ありがとうございます。 (2022年7月29日 13時) (レス) @page50 id: 5834c2d9fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ホシ | 作成日時:2021年12月31日 3時