8 ページ9
「撮影終了でーす!ありがとうございましたー!」
しゅんちゃんの声で、周りがどっと湧き拍手が起こる。
私は、この瞬間が大好きだ。
ポケットに入れた紙を取り出し、出来る限り綺麗に引き伸ばす。
「ふぅー…」
「しゅんちゃ…!」
足元でカサリと物音がした。
唇が震えて、声が出ない。
目の前で楽しそうに話すチカさんとしゅんちゃん。
その姿は誰がどう見てもお似合いで、あぁ見たくない、そう思っても根っこでもついたかのように、動けない。
呆然と2人の姿を見ていると、ふいにチカさんがこっちを向いた。
バッチリと目があって、私を見つけたチカさんの顔がパッと明るくなった。
駆け寄ってくる彼女が恐くて、一歩後ろに下がる。
でも逃げることはできなくて、チカさんは私の手をぱっと握った。
「Aちゃん、ありがとう。どうにか自分で連絡先は交換できたから。ごめんね」
「そう、ですか…」
しゅんちゃん、やっぱり交換したんだ。
そりゃ、、そうだよね…
こんな綺麗で、おまけに愛嬌まであって。
きっと、ベッドの上でも綺麗なんだろうなぁ。
耳元に聞こえるチカさんの声は、キンキンとうるさくて耳を塞いでしまいたくなる。
愛おしそうにしゅんちゃんの事を話すこの人の頬を引っ叩いて、私の方が好きだと叫びたい。
「Aちゃん?」
あぁ、やばい
泣きそうだ…
「すいません」
53人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なる - 久しぶりに泣きました!こんなに良い作品を作ってもらってほんとに感謝です、、!ありがとうございます! (2023年1月27日 21時) (レス) @page33 id: 0a17aac8c4 (このIDを非表示/違反報告)
コットン - 毎日更新してくださりありがとうございます!次のお話も待ってるよ(о´∀`о) (2022年11月13日 9時) (レス) @page33 id: cdf631467a (このIDを非表示/違反報告)
サママリネ - めちゃ良かったです! 次のお話も楽しみにしてます✨ 更新頑張ってください❤️🔥 (2022年11月13日 8時) (レス) @page33 id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:天ヶ崎音 | 作成日時:2022年10月30日 23時