23話* ページ23
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先程の言葉がやけに脳裏に焼き付いて、その時見せた先輩の拗ねたような表情が頭から離れようとしない。
気持ちをかき消すようにポテトチップスの袋に手を突っ込んだ。中のコンソメ味チップスをひとつ摘まみ出して、そのまま口に放り込む。
やっぱり美味しいわぁ。
さすがコンソメ。
「坂田、もっと音量絞ってや、キーボードが前に出過ぎとる」
「なに⋯!!分かったぞセンラ!あ、いくつ下げればええ?」
「そんなんテキトーでええやろ。合わんかったらまた絞ればええんやし」
「そやな!!」
青春だねぇ、と風景を眺めながら手元にある坂田から拝借したキーボード用の譜面を見る。
が、音楽経験一切無しの私には全く理解ができない。なんなんだこの記号達は。
いやまぁデクレッシェンドとかクレッシェンドとか簡単な奴は分かんだけどね、このなんか矢印みたいなマークとか分かるわけな⋯⋯
「うっわぁ、なにぶっさいくな顔しとんの⋯⋯」
譜面を睨みつけていると上から声が降ってきたので、声の方を見上げると蓋の空いたペットボトルを片手に少し汗ばんでいるセンラが立っていた。
「なんだセンラかよ⋯⋯」
「なんだってなんやねん。てか、それキーボード用の譜面やろ?ドラムのがまだ見やすいんやない?」
「どっちもどっちだわ。ていうか、私音楽経験ゼロなのになんで軽音部所属してんだろ⋯⋯」
チラリとセンラの手元から見えたドラム用の譜面はやっぱり音符が多いし目眩すらしてきたが、黄色いマーカーで書かれたメモが沢山あったのでセンラはやっぱり努力家だなぁ、と感心した。
でも黄色いマーカーって見にくくないですかねセンラさん。
「そうやねんなぁ。初めて会った時はAバリっバリ運動部って感じやったし。なんやっけ、あれや、バレーか」
「そーそー、よく覚えてんね。あんなうっすい出会いしたのに」
「そら僕が忘れるわけないやろぉ〜?それにAの事やで?全部お見通しやわ」
「何それこっわ⋯⋯」
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ちょこ - とてもよかったです!それぞれと結ばれたあとのお話が欲しいです! (2019年8月17日 15時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
shiyu(プロフ) - ちゃちゃるさん» ありがとうございます! 更新頑張りますね! (2019年4月12日 18時) (レス) id: ca77629a28 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃる(プロフ) - めちゃくそ面白いです!!!!続き楽しみに待っています!!!!!!!!! (2019年4月7日 17時) (レス) id: f718a04fcb (このIDを非表示/違反報告)
シュリンク(プロフ) - スイ(さぶ)さん» そうなんです!ゲームと同じ設定にしたので若干呼び方や口調などに違和感等々あるかもしれませんがその場合は緩く目をつぶってくださると嬉しいです(汗)コメントありがとうございました! (2019年1月7日 22時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
シュリンク(プロフ) - ゆずの実さん» ありがとうございます(汗)更新2人共々頑張りますのでこれからも作品にお付き合い頂けますと嬉しいです! (2019年1月7日 22時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュリンク&ハゲつるマン x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年12月22日 11時