Episode48 偽りも真実だと知って ページ49
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俺は呪いを吸収した。
爆発は逃れたが、その反動で俺と少年の体は高く、遠くへ吹き飛ばされる。自分を守るか少年を守るか。
答えは決まってた。
風魔法を応用して、少年を冷たい床へ静かおろす。
『ハァ……』
不意にため息がでやがった。
安堵のため息と、身体が肺に酸素を送り込もうと準備段階に入った吐く息が混じっている。
打ち付けた頭が痛ェ……呼吸が浅くしかできない。
ここで死ぬってか?
ハッ、こんなの、あのクソ野郎の兄貴に殺されたも同然じゃねェかよ。
約束だ、80年の寿命を渡してもらう。
『………来やがったか。寿命は渡すぜ。だけど、質問させてくれ。俺は、あとどれくらい生きられるんだ』
愚かなマイヤーの末裔よ。貴様の寿命は元々53年だった。姿形を残せているのは、まだ私が寿命を取っていないからだ。
『なんだ、、慈悲深い神様だったんだなアンタ』
なぜまだ死なせないか分かるか?
『……さァ』
大勢を助けた"自己犠牲"が、貴様が抱える昔の罪を洗い流したからだ。だから思いを馳せる余地を与えている。
『……そんなモン、もう十分だ』
そうか。ならば……寿命を頂こう。
ポセイドンの手は俺の体に触れなかったが、ひんやりとした心地良さがあるのは分かった。
広大な海に、懐かしい故郷にやっと帰れる気がする。
目を閉じると、海水に包まれる感覚があった。耳には、泡が大量に弾ける音が聞こえる。
そして涙をこぼした─────────
幼い頃に読んだ古い本の意味が、きちんと分かったから。
あぁ
その通りだ
幸せを手に入れるのは難しい
手にした瞬間に、失わないようにする
俺は何度も手に入れて失うのが怖くて
愛と幸せに囚われてた
でもアイツらと過ごした短い時間だけは
『あの瞬間だけは………』
※※※
フロイド「あれぇ〜?ウミウシ先輩じゃん」
アズール「Aも戻ってきましたか!?」
レオナ「抱えられてんだろ、メガネつけろ」
ジェイド「……おや、眠っているんでしょうか」
マレウス「……呪いは解いた。安心していい」
Episode49 Goodbye→←Episode47 終わりを告げる
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かれーらいす(プロフ) - 憂さん» ありがとうございます! (8月11日 3時) (レス) id: 5ca5f702d5 (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - とっても面白いです!!すごい速さで読み進めてしまいました笑 お話の続きが気になりすぎます!!お身体などにお気をつけて無理の無い程度に更新頑張ってください!!続きを楽しみに待ってます!!( *´꒳`* ) (6月14日 3時) (レス) id: 9c386c62ed (このIDを非表示/違反報告)
かれーらいす(プロフ) - 檸檬さん» ありがとうございます!!お話を面白い方向に持っていけているか不安だったのですが、檸檬さんのコメントを読ませていただいてとても嬉しく思いました*ˊᵕˋ*これからも宜しくお願いいたします。 (2023年2月7日 21時) (レス) @page29 id: 75feb1bede (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - すごく面白かったです!!男主くん………すっごい好みです……性格もプロフィールも全部好みなんです!初めて読ませていただいたときからハマってしまいました!お体に気をつけて更新頑張ってください!応援してます(*^^*) (2023年2月7日 19時) (レス) @page29 id: 069557edb4 (このIDを非表示/違反報告)
かれーらいす(プロフ) - 零さん» 励みになるお言葉ありがとうございます!更新遅れないように努めます! (2023年1月28日 21時) (レス) id: 75feb1bede (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かれーらいす | 作成日時:2022年6月19日 17時