木の葉の影 四章 「NARUTO」

巻ノ百四十九 ページ4

ﾃﾝｿﾞｳ「しかし、これはいったい何者の仕業なんです？」

ﾀﾞﾝｿﾞｳ「うちはイタチだ」


ﾃﾝｿﾞｳ「イタチが？」

ﾀﾞﾝｿﾞｳ「うちはイタチは己の一族を嫌い憎んでいた。そこ でうちはシスイを殺し、その眼を奪い、うちはの同胞と争い事を引き起こした｣


ダンゾウ様は先程 私に知らせたように同じ言葉を伝える。

ﾀﾞﾝｿﾞｳ「そして、とうとうこの凶行に及んだのだ」

この惨劇を見てなお、どうしてもあの子が自分の意思でしたとは考えれない。

一時の感情で動くような忍じゃないのは、イタチを幼い頃から見てきた私がよく知ってる。


イタチは争いを好まず平和を願う子だった。

里とうちはの衝突は多くの犠牲者を出す。一族を殺すことで衝突を避けた･･･そういう事なの？イタチ。

ｶｶｼ「アイツが？そんな･･･」

ﾋﾙｾﾞﾝ「グズグズするなッ、作業にかかれ！」


貴「全班に告げる！遺体は収納袋に入れ、全てうちは神社の前に集めなさいッ」

｢ハイ｣の返事と共にその場を後にすれば、遺体を運び出し、神社に集められていく。

うちは一族、ほぼ全滅だ。


いつも話していた町のみんなも、ミコトさんにフガクさんも･･･みんな。

ﾃﾝｿﾞｳ「これがイタチの憎しみからだというなら、根が深いですね･･･」

夕顔「生存者がたった一人なんて」

暗部として汚れ仕事を多くこなす隊員たちも同じ木の葉の仲間が殺された事にさすがに堪えている。

貴「これで全員か。ろ班は運び出す作業に取り掛かれ、私は最後の確認に行く。カカシ、ここは任せるぞ」

ｶｶｼ「･･･ハイっ。運び出すぞ」

｢ハイ･･･暗部とはいえ、なんて任務だ｣


その場を後にし、遺体が残っていないか確認するため町中を走り抜けていくと眉を動かしザッと足を止めた。

ダンゾウ様のとこの･･･暗部、ではないわね。

黒の外套に狐の面、姿はダンゾウ様直轄の暗部だがこの気配は･･･。

貴「何があっても、あなたを信じ、愛す人を作りなさい。昔した話よ。そんな人は見つかった？」

｢･･･わかりません｣


貴「そうよね。四代目は死んでしまったけど、私は今でも変わらず里の皆が家族と思ってる。だから」

暗部の面を外すと家族を見送るように笑った。


貴「──信じてる、ずっと愛してるよ。イタチ。
サスケの事は任せて」

同じように面をとったイタチは静かに頭を下げた。


貴「さあ行きなさい。夜が開けると共に、あなたを私は追わなければいけない。･･･さようなら、イタチ」

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