巻ノ百六十七 ページ22
瞳が揺れている、顔は険しく・・・だけど悲しそうで今にも泣き出してしまいそう。
貴「ナルト・・・黙っていてごめん。弁解するつもりはない、どんな言葉でも受け入れるわ」
ナルト「クソォ・・・何だってばよっ。A姉ちゃんだけは・・・みんなと違うって、そう思ってたのに・・・ッ」
ナルトに触れようと伸ばした手を目の前で止めると、空をかくように握りしめた。
貴「私の言葉なんて信じられないかもしれない。だけど私はナルトが好き、大好きよ。これは変わりないわ」
ナルト「!・・・どうせっ、また・・・ウソで」
貴「そうね・・・ナルト、一楽のラーメンおいしかったね。
さあ、あとは任せて。ナルトはここにいるのよ」
ナルト「ッ・・・!」
ナルトから視線を逸らし、膝に手をついて立ち上がると木の先にいる二人を見据えた。
ミズキ「あの巻物の術を使えば、何だって思いのままだ。あのバケ狐が利用しない訳がない。あいつはお前が思っているような・・・・」
イルカ「ああ!」
イルカの一言にナルトの目付きが鋭く、巻物を握りしめる手には力が篭もっていた。
イルカ「バケ狐ならな。けど、ナルトは違う。あいつは・・・あいつはこのオレが認めた優秀な生徒だ」
ナルト「!」
イルカ「努力家で、一途で・・・そのくせ不器用で誰からも認めてもらえなくて・・・あいつはもう人の心の苦しみを知っている」
脚に巻き付けたポーチから術式を書いたクナイを取り出すと、指をスッと絡ませて握った。
足音を立てないように木の陰に隠れて少しずつ近づいていく。ナルトはもう見えないが、きっと涙が溢れている事だろう。
イルカ「今は、もうバケ狐じゃない。あいつは木の葉隠れの里の・・・うずまきナルトだ」
・・・イルカの言葉に、どれだけ救われただろう。ナルトの側にいてくれる人がいる、もう私の役目はおしまいだろう。
ミズキ「イルカ、お前を後回しにするつもりだっとがやめだ・・・さっさと死ね!!」
木を背に座り込むイルカ、それ目掛けて大きな手裏剣が飛ばされた。隣を走り抜けていった見慣れたオレンジの髪の毛。
目を僅かに反応させるが、とにかくイルカの元へ瞬身で飛び、クナイで手裏剣の勢いを弱めて手でグッと掴んだ。
貴「ナルト、何故でてきたっ」
勢いよく体当たりしたナルト、もろに食らったミズキは蹲り腹を押さえると顔を歪ませた。
ミズキ「・・・やってくれるじゃねェーか・・・」
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白花(プロフ) - わわさんさん» そう言っていただけて嬉しいです!ぜひ、これからもよろしくお願いします😊ありがとうございました💗 (9月18日 11時) (レス) @page18 id: f936ecd47d (このIDを非表示/違反報告)
わわさん - 好きな作品でしかも好きな設定だったので一気見しちゃいました!✨️✨続きが楽しみで仕方ないです!!! 更新待ってます (9月10日 23時) (レス) id: 2393d5040c (このIDを非表示/違反報告)
白花(プロフ) - めぐみさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!クシナとミナト、しばらく出せないと思うと寂しいです😭ようやくナルトたちと関わってきますので、お楽しみに☆ (8月15日 21時) (レス) @page14 id: f936ecd47d (このIDを非表示/違反報告)
めぐみ(プロフ) - 久々に一気読みするほどどハマりしました!クシナとミナトのあの名シーンは感動ものですね、、、続き、楽しみにしてます!更新頑張ってください(๑˙꒳˙๑)و (8月15日 14時) (レス) id: 206425900b (このIDを非表示/違反報告)
白花(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます!見ていただいて嬉しいです☺︎︎ (8月10日 22時) (レス) id: 0948fc59e0 (このIDを非表示/違反報告)
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