巻ノ百六十五 ページ20
ミズキ「ッ、補佐役なんてこなけりゃ・・・クソっ」
戦わずとも力量差はわかるはず。眉根を寄せて険しい顔を浮かべたミズキ、足元が動いたのが見えると目を細めた。
ミズキ「オレはナルトを殺して・・・あの巻物さえ手に入りゃそれでいい!」
地面を蹴りあげ、ナルトの後を追って森の中へと姿を消したミズキ。風が吹くと足を僅かに広げ、森の奥へ目を向けた。
貴「私から逃げ切れるわけがないのに・・・バカね」
イルカ「っ・・・A様、待って下さい!!」
貴「悪いけど、ナルトの命が危ない。傷の治療は、私の仲間をよこそう。イルカはここで待機しなさい」
淡々と告げると止めるように足を掴まれる。目線を下げると傷だらけのイルカが必死に手を伸ばしていた。
イルカ「お願いですッ、ミズキは・・・」
貴「まさかとは思うけど、元同僚だからとミズキを庇い立てるようなら、イルカ・・・わかってるわよね」
イルカ「A様っ。ミズキは・・・オレが止めますッ」
一瞬 肩を竦ませるもイルカは歯を食いしばると目の前で立ち上がり、私に頭を下げた。
イルカ「オレに追わせて下さい・・・!!! ナルトはオレが守りますッ、ミズキに手出しはさせません!お願いです!」
貴「!・・・」
イルカの懸命に頭を下げる姿、ナルトを想う姿に目を大きく見開いた。しかし、地面に落ちる血が私の顔を険しくした。
貴「無茶ね。・・・その傷、浅くはない。そんな身体でミズキを止められる?ナルトを守れるの?」
イルカ「ッ、ナルトは・・・オレの生徒です!!!」
貴「・・・アナタ、死ぬ気?」
イルカ「それでもっ・・・オレは行きます。
A様が止めても、無駄ですよ・・・ッ」
目を大きくして細めると「フッ」と微かに笑みを溢す。
手を伸ばし、顔についた血をグッと拭ってみせた。
貴「イルカ、バカね。だけど、そんなバカは嫌いじゃない。ほら、さっさと終わらせるわよ」
イルカ「っ・・・ありがとうございます!」
拳を手のひらに押し当てれば、イルカに背を向けてミズキが向かったであろう森を見据えた。
貴「イルカ。医療忍者として危険と判断した場合・・・私がやるぞ、いいな?」
イルカ「ハイッ・・・」
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白花(プロフ) - わわさんさん» そう言っていただけて嬉しいです!ぜひ、これからもよろしくお願いします😊ありがとうございました💗 (9月18日 11時) (レス) @page18 id: f936ecd47d (このIDを非表示/違反報告)
わわさん - 好きな作品でしかも好きな設定だったので一気見しちゃいました!✨️✨続きが楽しみで仕方ないです!!! 更新待ってます (9月10日 23時) (レス) id: 2393d5040c (このIDを非表示/違反報告)
白花(プロフ) - めぐみさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!クシナとミナト、しばらく出せないと思うと寂しいです😭ようやくナルトたちと関わってきますので、お楽しみに☆ (8月15日 21時) (レス) @page14 id: f936ecd47d (このIDを非表示/違反報告)
めぐみ(プロフ) - 久々に一気読みするほどどハマりしました!クシナとミナトのあの名シーンは感動ものですね、、、続き、楽しみにしてます!更新頑張ってください(๑˙꒳˙๑)و (8月15日 14時) (レス) id: 206425900b (このIDを非表示/違反報告)
白花(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます!見ていただいて嬉しいです☺︎︎ (8月10日 22時) (レス) id: 0948fc59e0 (このIDを非表示/違反報告)
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