巻ノ百五十八 ページ13
火影岩の上でうずくまっている小さな背中。
足を進めて隣に座ると間に竹皮に包んだおにぎりを置いて、一つを自分の口に運ぶ。
貴「ほら、ナルトも食べな」
ナルト「・・・・・」
貴「姉ちゃん、いま任務帰りで ナルトとご飯食べたくてさ」
ナルト「・・・いいよ、姉ちゃん めっちゃお腹なってるし」
確かに鳴っているのは事実。しかし止められるものでもないし、こんなのはいつものこと。
貴「子どもが遠慮するんじゃないの。
ほら、おにぎりまだあるし。好きなだけ食べて」
持っていた風呂敷を解くと竹皮で包んだおにぎりが山盛りある。それを見てナルトも「ぷっ」と吹き出した。
ナルト「アハハっ!なんだコレ、スゲー量!
姉ちゃん、どんだけ食うつもりだったんだよ」
貴「だから言ったでしょ、ナルトと食べようと思ったって。だからおにぎりも二人分、ほら食べて」
ナルト「うんっ、いただきます」
おにぎりに手を伸ばした大きな口で頬張り、ナルトは口を動かしながら里を見つめた。
ナルト「なあ、姉ちゃんはなんで怒らないんだ?いつもオレがバカしても怒るどころか皆をなだめて、謝ってくれるだろ」
貴「えー、怒ってほしい?姉ちゃん、実は怒るとめちゃくちゃ怖いのよ。・・・フフっ、なんてね」
そう笑いながら答えるとナルトの顔を見て頬杖をつき、クシャっと頭を撫でた。
おにぎりを食べる手を止めると里から私に顔を向けた。
ナルト「A姉ちゃんだけだ、昔からオレに優しくしてくれるの。何で姉ちゃんはそんなに優しいんだ?」
貴「そんなの決まってるじゃない」
わからない。そんな顔をしたナルトの額を指先でトンっと押すと目元を細めて笑った。
貴「ナルトが好きだからよ。大切だから、守りたくなるの」
ナルト「!っ・・・な、A姉ちゃん。
そんな・・・オレ、恥ずかしいってばよ」
貴「フフっ。何回でも言ってあげる、私はナルトが大好きっ。これだけは誰にも負けないよ」
親の愛情を知らず、里の者にはあの事件の事でけむたがられる。ナルトは何もしていないのに・・・。
だから人の気をひくためにいたずらをするしかなかった。どんな形であれ、自分の存在価値を認めてほしいのだ。
強がってはいるけど、つらいのはナルトの方だ。
膝に手を当てて立ち上がると火影岩の上でクルっと周り、里を後ろに手を広げた。
貴「まっ、イイことじゃないけど・・・こんなの出来るの今のうち。どうせいたずらするなら 大きい事しなきゃね!」
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白花(プロフ) - わわさんさん» そう言っていただけて嬉しいです!ぜひ、これからもよろしくお願いします😊ありがとうございました💗 (9月18日 11時) (レス) @page18 id: f936ecd47d (このIDを非表示/違反報告)
わわさん - 好きな作品でしかも好きな設定だったので一気見しちゃいました!✨️✨続きが楽しみで仕方ないです!!! 更新待ってます (9月10日 23時) (レス) id: 2393d5040c (このIDを非表示/違反報告)
白花(プロフ) - めぐみさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!クシナとミナト、しばらく出せないと思うと寂しいです😭ようやくナルトたちと関わってきますので、お楽しみに☆ (8月15日 21時) (レス) @page14 id: f936ecd47d (このIDを非表示/違反報告)
めぐみ(プロフ) - 久々に一気読みするほどどハマりしました!クシナとミナトのあの名シーンは感動ものですね、、、続き、楽しみにしてます!更新頑張ってください(๑˙꒳˙๑)و (8月15日 14時) (レス) id: 206425900b (このIDを非表示/違反報告)
白花(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます!見ていただいて嬉しいです☺︎︎ (8月10日 22時) (レス) id: 0948fc59e0 (このIDを非表示/違反報告)
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