巻ノ百五十七 ページ12
里外任務から戻ってくると里内がどうも騒がしい。
火影邸に吊るしている術式のクナイ、いつもならそれを時空間で目印にして避雷針で飛ぶところだが・・・。
貴「たまには歩いていくか」
小さくあくびをしながら里を歩いていると騒ぎの声が聞こえてくると共に建物の落書きが見えてくる。
ハイハイ、なるほど・・・こりゃまた派手にやったもんね。
「毎日、毎日いいかげんにしろ!」
「コラーッ!また、いたずらばっかりしやがって!」
大人たちの怒りの声、その矛先には屋根の上でべーっと舌を出しているあの子の姿。
貴「ナルトったら」
ナルト「バーカ!うっせんだってばよ!!」
少し前から増えたナルトの里へのいたずら。毎日のことに大人たちは苛立ちをつのらせている。
相手がナルトってのもあり、目は冷たいものだ。
「あっ、あれは!A様だっ」
「A様、見て下さい!この落書きを・・・!全てナルトがやったんです、A様の方からも言ってやって下さい」
私の周りに集まり、ナルトに指を差す里の大人たち。屋根の上に向けると目を大きくしたナルトと目が合った。
いたずら現場で会うのはこれが初めての事ではない。だからこそ、私に見つかり「ヤバい」なんて思ってるのだろう。
首を傾げてじーっと見つめると、声を上げて笑ってみせると腰に手を当てた。
貴「元気があっていいじゃないっ。
うんうん、里の子は元気があるのが一番よね」
思っていた言葉と違うからだろう、里の大人たちは呆気をとられてハッとすると「何を言ってるのだと」抗議する。
貴「んー・・・そうね。では、ここに負傷した者は?」
「えっ・・・それはいませんが」
貴「じゃあ被害は建物だけね。怪我人がいないのなら、尚更 私から言うことはないわ。いたずらなんて平和な証拠よ」
周囲を見渡して大人たちを手招きし、自分の近くに寄らせると「ただ」と言葉を続けた。
貴「このままじゃ生活に支障がでるでしょうから。
落書きのある建物から少し離れていてね」
印を組めば、外壁にある落書きを打ち消すように地面から一斉に水が噴射する。
勢いで宙にむかって飛ぶ水飛沫、空を見上げれば虹がかかってみえる。大人たちの注目も集めた。
貴「(行って)」
ナルトにわかるように口パクで簡潔に伝えると、ナルトは背を向けてその場を後にした。
続けて印を組めば、外壁についた水を吹き飛ばすように突風が吹く。
貴「これで元通りっ。騒がしくてごめんなさいね」
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白花(プロフ) - わわさんさん» そう言っていただけて嬉しいです!ぜひ、これからもよろしくお願いします😊ありがとうございました💗 (9月18日 11時) (レス) @page18 id: f936ecd47d (このIDを非表示/違反報告)
わわさん - 好きな作品でしかも好きな設定だったので一気見しちゃいました!✨️✨続きが楽しみで仕方ないです!!! 更新待ってます (9月10日 23時) (レス) id: 2393d5040c (このIDを非表示/違反報告)
白花(プロフ) - めぐみさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!クシナとミナト、しばらく出せないと思うと寂しいです😭ようやくナルトたちと関わってきますので、お楽しみに☆ (8月15日 21時) (レス) @page14 id: f936ecd47d (このIDを非表示/違反報告)
めぐみ(プロフ) - 久々に一気読みするほどどハマりしました!クシナとミナトのあの名シーンは感動ものですね、、、続き、楽しみにしてます!更新頑張ってください(๑˙꒳˙๑)و (8月15日 14時) (レス) id: 206425900b (このIDを非表示/違反報告)
白花(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます!見ていただいて嬉しいです☺︎︎ (8月10日 22時) (レス) id: 0948fc59e0 (このIDを非表示/違反報告)
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