六つ子 ページ4
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「ほいほい、Aはとりあえずここに座って座って!…俺はここ。トド松はAの右な」
と、流される様に私はいつの間にか床に座っていた。すると突然、襖が勢いよく〃スパンッ〃っと音を立てて開いた。私は驚きのあまり肩がビクついていた。そして…
ゾロゾロ…ストンッ
なんて効果音がつくかのようにおそ松やトド松くんにそっくりな4人が次々と入ってきては、私の前に無言で座っている。
まじまじと顔を見てみると、ほんとに六つ子なんだ…と驚きが隠せない。
それに私の目の前にいる人達はパーカーの色がそれぞれ違って、とても綺麗でカラフル。座ってる順番は左から青、黄緑、紫、黄色…そして私の左におそ松。右にトド松くんがいた。
「じゃあお前らに紹介するぞー。コイツは俺の友達、A。それでぇ…」
『ちょっ!おそ松、ちょっとストップ!!』
「え?なになにぃ〜?もしかして俺の彼女になるとか言ってくれちゃったりして〜?」
『違うよ?!そうじゃなくて、私はこう…急に揃われても追いつかないと言うか…緊張して心の準備が…。だから、ね?1人ずつ話そ…?』
と言う私の提案のもと、1人ずつ話すことになった。皆が優しくてよかったよぉ……
でもなんで黄色い人は素振りの練習を始めたんだろ…。すごく元気そうだけど今しちゃうのか…
「へぇ〜おそ松兄さんに女友達いたんだ。僕はてっきり居ないものだと思ってた…」
と、黄緑の人が言う。
まぁ、そのイメージは凄くよく分かる。
でももう少しオブラートに包もうよ…!?
「ひっでぇー」
『まぁまぁ…』
「フッ…やっと見つけたぞカラ松girl!」
「〇ね。クソ松」
なんてナルシストっぽい青い人が紫の人に殴られていた。これが世間で言う、喧嘩するほど仲がいいってことなのだろう。
それにしても紫の人、何処かで見た気が…?と、考えていると勝手に口が動きこう言っていた…
『あの、あなたのお名前…教えてくれませんか?』
と…。
まだ名前すらも知らない"紫の彼"なのに…何故か本能的に"知りたい"と思っていたのが理由だと私は思った。何故そう思ったのか…それは何度考えても出てこない。
「…え、ぁ…」
動揺する紫の彼。
言葉の先が気になるも詰め寄ってはいけない、と自分に言い聞かせ彼の返事を待つ。
この時、少しの空気でも息が詰まった様になるのは気のせいだと…私は思った。
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作者名:ちゃむちゃ | 作成日時:2021年8月5日 10時