ピンク色 ページ3
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"松野"と書かれた表札。
それを見ただけでここが松野家なのだと分かる。
ビルやマンションが建つ並びに挟まれる様に建っていた少し古風な家屋はとても素敵だと思った。
それもそうだろう。最近は古い家は取り壊され、新しい家や高層マンションが建て並んできている。そんな世の中でも壊されず生き残っているのだから。
なんとなく私の故郷を思い出す。
「故郷…確かAは京都出身って言ってたよな?」
『…あ、うんっ』
え。まさかおそ松って心がよめるんじゃ…
「いやいや、よめる訳ないじゃん。
明らかに声に出てたに決まってるだろ〜」
驚く私にヘラヘラと笑うおそ松。
笑い終わったと思ったら扉を開けていた。
「たっだいまー!」
『おじゃまします…』
そういえば私人見知りだけど大丈夫かな……
「ん…おそ松兄さんお帰r…って、
〃えぇぇえ!?え、誰!?おそ松兄さんの彼女?!〃」
なんておそ松にそっくりなピンクのパーカーを着た人が目の前にいた。うん。いくらなんでも叫び過ぎじゃ…?そんなに驚くことかな…
………って、んん??私、彼女じゃないよ!?
どちらかと言うと若干仲が良い友達だよ!?
なんて心の中でツッコミを入れていた。
「おいおいトッティ。俺とこいつがリア充に見えるってか?」
「いや、……今冷静に考えてみればそれはないね」
「傷つくけど正解。コイツは友達。あっ、彼女って誤解してくれたままでもいいけど〜」
おぉ!ちゃんと誤解を解いてくれてる…んだよね?
最後は余計だと思うけどなぁ〜?
「…あっ。ボクはトド松♡
気軽に呼んでくれるとうれしいなっ」
トド松くんね。覚えとこ…
『私は桜木A。
私も気軽に呼んで貰えると嬉しぃな』
「やった!じゃあ早速メアド交換しよっ♪︎」
と、話の流れでメアドを交換した。
これでトド松くんとはお友達。
『紹介したい兄弟ってトド松くんだったんだね。
顔がそっくりだから双子かぁ』
「ん?あ〜違う違う。
双子じゃなくて俺たちは"六つ子"」
…ん??六つ子?
え。三つ子とかの聞き間違いかな?
「あっ!じゃあいっその事出てきて貰おっか!
〃兄さん達ー!女の子が家に来たよーー!!〃」
と、トド松くんが叫ぶと同時…
凄い足音が聞こえる間、私は居間へと案内される。
いったいどんな兄弟なんだろう…
なんて不安が押し寄せたのだった。
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作者名:ちゃむちゃ | 作成日時:2021年8月5日 10時