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目を開けるとあるはずの空ではなく
見覚えのない天井があった
数秒の間天井を見続けだ所で
電気が走るのような痛みと共に
島での出来事が頭の中を駆け巡る
思わず起き上がると
手にはずっと抱えていたのだろうか
父親から受け取ったあの箱があった
だがそれは少女に起こった出来事が
夢ではなかったという事を強く突きつける
箱を抱きしめる手に自然と力が入ると同時に
入口のドアが開いた
入って来たのは見知らぬ男
「起きたみたいだねぇ」
無意識に体が強ばるのが分かった
何となく...いや直感と言うべきなのだろう
分かってしまったのだ
今目の前にいるのは紛れもない海賊なのだと
再び頭を駆け巡る記憶に
苦しくなる呼吸を抑え何とか声をだす
『ここはどこ...ですか』
男は取り敢えず親父の所に付いて来るように言った
親父という言葉に疑問を持ちながらも
何とか体を起こし付いていく
大きい扉の部屋を開け中に入ると
目の前には自分の何倍もの大きさの男と
その隣に先程話した男の人を初めとする男性数人
『あの...…』
恐怖はあった
けどそれでどうという訳ではない
今ここに自分だけという事は島の人達もきっと...
つまり自分には何も残ってないんだ
そう思うと悲しいはずなのに辛い筈なのに
何故だろう全てどうでもよく感じてきた
両親と同じ様に
海賊に殺される最後も良いかもしれない
なんて事を考えた
『Aと言います
助けて下さりありがとうございました』
男達は驚いた
無理もない幼い少女が
海賊である自分達を前に平然といているのだから
「...……俺は白ひげだ
にしても小娘何で海にいた」
白ひげ
それは今はなき海賊王ゴールド・ロジャーと共に
海賊の時代を築いた大海賊の名だ
少女自身聞き覚えがあった
いや少女で無くとも
全世界で彼らを知らぬ者はいないだろう
どんでもない所に来てしまったと思うが
素直に今まであった事の全てを話した
勿論自分の両親の死についても
しばらくの沈黙のあと少女が口を開く
ただ静かに"私を殺すのかと"
その少女が発した言葉には
どれ程の重みがあっただろうか
彼は少女の言葉に返事をするわけでもなく聞いた
「おめぇは海賊が憎いか」
『...……憎い
でも海賊だけじゃない海軍も同じ
けど何よりも大切な人達が目の前で死んでいくのに何も出来ずただ守られてばかりだった自分が一番憎い』
白「＿＿＿おめぇ俺の娘になれ｣
殺すか殺さないかの話をしていた少女にとって
それは想像すらしない言葉だった
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くちばし(プロフ) - 鈴さん» ありがとうございます！これからも読んで頂けると嬉しいです (2017年4月2日 17時) (
レス) id: 30fd41f576 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - とても良かったです。更新頑張ってください。 (2017年2月11日 15時) (レス) id: a4159b1efe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くちばし | 作成日時：2016年12月1日 20時
