鶴丸国永に成ったら親友が俺の本丸引き継いでた【刀剣乱舞】【鶴丸国永成り代わり】

鶴が八十二羽 ページ12

？side

？「楽しそうにしてもらえて、此方としても嬉しいな…」

半ば無理矢理頼んだ
あの時は確実に断られると思っていた
なのに彼は…Aは了承してくれた

嬉しかったんだぜ？

今の俺じゃ君の目の前は愚か
君と話したり、笑い合う事も出来ない
また、話をしたいのにな

君がまだ審神者になってばかりの頃
演練で俺達の部隊と当たった時
君は俺を見て驚いていたな

覚えていないだろうけど……

弱いと思っていた相手が
予想以上に強くて驚いたのもいい思い出だ
短刀・脇差に負けたのは、あれが最初で最後だ

それから演練で君を見かける度に
観察してたんだ
視線に気が付けば、少しぐらいは笑ってくれてた

だが何時からなんだ？
笑ってくれなくなったのは
何時しか、君は俺の視線にも気付かなくなった

何かの限界だったのか？
その時には君の本丸には俺が居て
三日月も居た

満足してしまったのか？
毎日がつまらなくなったのか？
君の心は知らない間に死んでいた

全く異なる本丸だった所為で
君の事が理解出来なかった
また君の部隊と戦いたいと主に言って行かせてもらった時

君の目には光を感じられないくらいだったんだ

君のあの驚いた顔も
優しい微笑みも、楽しそうな心も
もう二度と戻って来ないって思うと悲しくなった

でも、不運な事に俺は折られた
今度は俺が戻れない体になった
折られた所為で、闇堕ちもしてしまった

こんな真っ黒な体じゃ君に会えない

そんな中で君は現世で事故に遭った
これが最後だと思った
だから、最期には真っ白な姿でお別れしたいと思っていた

俺の嫌な記憶まで君に明け渡した
全て渡した筈なのに
俺には君に関しての記憶だけが残っている

もう俺は『鶴丸国永』でも何でもない
神様でも人間でも刀でもない
ただの……『ガラクタ』だ

俺の体は君のものだ
今すぐにでもこの姿を消してしまいたい
なのに、俺が消えれば君も消える気がした

道連れなんてやりたくない

今の君は初めてあった時と同じだ
心が空っぽじゃない
明るく笑ってくれている

俺はそれだけで満足だ

なぁA……
君は今の方が退屈しないだろう？
前世と今ならどちらが幸せだい？

俺は独りになったが
君には沢山の仲間や家族が出来た
幸いにも主は君の知り合いらしいしな

だから……
あんな退屈そうな表情(カオ)は
二度としないで欲しい

鶴「永遠にサヨウナラだ…」

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