カカシのトラウマ ページ45
場所は変わり
再不斬がカカシの口寄せ犬に動きを封じられている橋の上
雷切を構えたカカシが再不斬の心臓を突く直前
再不斬の前に白が現れた
もうこの距離では
カカシも術を止める事ができない
ところが白に続き、もう一つのシルエットが浮かんだ
白「ッ、なッツ!」
その正体に気づいたのは
至近距離にいた白、ただ一人
グサッ──────
ここでカカシの雷切を作った右手は鈍い音を立て
"誰か"の体を貫通していった
カカシ「ッツ!...ぅ、そだ、ろ...
ッ、カルナ────!!!」
この瞬間を見ていたサクラ、タズナは
カカシが突いた人物を確認するや否や
目を見開き、顔を覆った
白「ッカルナちゃん、どうしてッ...」
雷切が当たる直前に白と向かい合うように現れたカルナはぐったりしている
カカシは昔、仲間を雷切で殺めた事と今回の事が重なり
トラウマになっていた事がフラッシュバックされ
周りの声が入らず動けずにいた
サクラは泣き出し
タズナは暗い顔をする
白はカルナをただただ抱き締め涙を流し
再不斬は下を向く
後から知ったナルトは
初めての友、仲間、ライバルである
サスケとカルナを亡くしたと言う事実が受け入れられず
カカシに八つ当たりをした
・
暫くした頃
暗く重い空気の中
場違いに現れたガトー達は
対抗、抵抗する間もなく
イナリ含めた島の住民達の手により片付けられた
・
その後
無事、"タズナ護衛任務"を終了させた七班は
タズナ家で応急処置をしたカルナを背負い
"もしかしたら目覚めるかもしれない"、と言うなんの根拠もない希望を胸に
再不斬と白、息を吹き返したサスケと共に
早足で木の葉へと戻って行く
その後ろ姿を見送っていたイナリは叫んだ
イナリ「姉ちゃんなら大丈夫だよね
僕より強いんだもん...きっと大丈夫
僕、いつかまた姉ちゃんと会えるって信じてるから!
その時はさ、ちゃんと名前教えてくれよッ
僕、信じてるから────!!!」
青い空の下
大きな声で叫ぶイナリの声に
カカシに背負われたカルナの口元が
ほんの少し
緩んだ事に気付いたナルトは
一人、嬉し気にニコリと笑った
・
サスケ「何一人で笑ってんだ、気持ち悪い。」
ナルト「別に何でもなi「サスケ君に同感よ。」
え、ちょ、...サクラちゃーん!?」
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作者名:星音 | 作成日時:2019年2月8日 21時