忘愛症候群【マイキー】 (ページ18)

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『わたしの母親スナックで働いてるって言ってなかった？』

「聞いてねぇ。」

帰り道バイクに乗りながら話す。

『母親スナックで働いてるの。給料は貰えないのに人手が忙しい時だけ手伝ってるの。』

「大変だな。」

『もう慣れたけどね。まぁほぼ雑用しかしてないしお客さんも常連さんとだけ少し話す程度だし、万次郎が考えてるようなことはないよ。だから、外でずっと待ってるとかやめて。』

と、言うと彼の背中しか見えないが少し落ち込んでるのがわかった。

『わたしなんかを待って風邪でも引かれたら、こっちの気分が悪いでしょ。あ、家ここだから。』

「今日はありがとな、楽しかった。」

どこが？と思ったが、わたしも嫌ではなかったし、むしろ心地がよかったので言うのをやめておく。

『お礼を言うのはわたしの方だから。ありがと』

と、いい家に入る。

家に帰ると疲れが一気に来て、眠気が襲った。

寝たいけど、スナックでは酒の匂い、客のタバコの匂いが混ざってその匂いが身体に染み付いてる。

メイクもしてるので身体くらいは洗おうと思い、シャワーを浴びて、その日はすぐ眠りについた。

次の日、学校は遅刻ギリギリの時間に行き寝不足で少ししんどかったので保健室で貧血と言い休んだ。

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