忘愛症候群【マイキー】 (ページ17)

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手伝いページ17

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母親の働くスナックは小さいので働いている女の子も少ない。

客は常連さんばかりだ。

ドレスに着替え、髪もセットしメイクも直す。

『山本さん、いらっしゃ〜い！外寒かったでしょ〜！』

と、洗い物しながら笑顔で客に声をかける。

ドレスが汚れるといけないので、エプロンをしている。

「おっ、Aちゃんだ！久しぶり！綺麗になったなぁ」

と、言われたがわたしが返す前に

「やだぁ、わたしの遺伝子よっ！」

と語尾にハートが付きそうな声で母親に遮られる。

客も、あはは！違ぇねぇな！と笑っている。

「アンタ、はやくグラス持ってって。」

『はい。』

母親は出てった父親が付けた名前が気に入らないらしく名前で呼んでくれたことがない。

別に名前で呼んで欲しいわけじゃないけど。

客はほとんどお母さんに取られる。

わたしが客にチヤホヤされるのが余程嫌なのだろう。

ドレスを着ても髪をセットしてもメイクをしても結局は雑用ばっかりになる。

ヒールを履いて、作業をしていたのでかなり疲れた。

明日は学校なのでいつもより早めに終わらせてもらった。

店から出ると、万次郎が居た。

『アンタなんで居んの？まさかずっと待ってたわけ？』

「Aがスナックに入ってくの見えたし、変な男に持って帰られるのも嫌だし待ってた。」

『外寒いでしょ？アンタ風邪引きたいの？』

「風邪引かねぇよ。家まで送るから乗れよ」

家まで送ってもらった。

第一印象はアヤシイ男ではあったが、今は信用出来るまでは言えないが、アヤシイ男ではなくなった。

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