３３品目:かつての店主 ページ36
柘榴side
弓「それで、なぜあなたがこの店を経営しているのですか？」
『...それを聞いて、お前はどうしたい？』
俺もカウンターに座り、肘をついてそう尋ねれば弓弦は一瞬怯んだ顔になったがすぐに戻して元の顔に戻った
弓「どうする...という訳ではありません。七年もの間、行方がわからなかった相手がなにをしていたか、それを聞くのはおかしいことでございましょうか？」
『...はぁ、ちょっと待ってろ』
一度外に出て、ドアプレートをひっくり返して「close」にし、自分の分もアールグレイを用意してからカウンターに座り直した
『このリング、覚えてるな？』
チェーンから抜け落ちたそれをはめた左手の中指を見せながら問いかければ、頷いたのが見えた
弓「あなたが戦地に行く前に、渡したものですね。お揃いにと」
『...あぁ』
自分の分のアールグレイを一口飲み、ポツリポツリと話しはじめた
...自分の運命が変わることになる、七年前の戦場へ行く前の和やかな時間のことから
ーーーーー
民間軍事会社の演習場... 柘榴(過去)side
「ちょっと兄さん！マジもんの戦場に行くってほんとなわけ！？」
シャドーの目的でやって来ていた演習場に、声変わり前の高い声が響いてそっちを見れば少し怒ったようなーーーがこっちに来ていた
その後ろには呆れた弓弦もいる...「止めようとしたダメだった」って感じだろうな
『仕方ないだろ、上官の命令なんだ。俺だってごめんだ』
「じゃあ断ればいいじゃんか！兄さんより腕の立つやつはいるだろ！」
キレ気味のーーーに弓弦は盛大なため息をついてその首根っこを引っつかんだ
弓「いい加減にしなさい。いくら実の兄とはいえ、これ以上の迷惑をかけてはいけませんよ。ーーー」
「いった！離せよ弓弦！」
大方、俺が黙って戦場に行こうとしてたのを知ってキレたんだろうな...こうなるなら言った方がよかったか
このままじゃ今度はこっちでケンカがはじまりそうだと呆れながら、本当はもっと先に渡す予定のものを取り出した
『ほら、これあげるから』
「なにこれ、リング？」
『お揃いのな。これがあれば...なにがあっても、俺たちはまた会える』
真剣な目でそう言ったことでようやく理解したらしいーーーはしぶしぶ怒りの矛先を納めた
『悪いな、弓弦。俺が戻るまで頼む』
弓「はい、柘榴さん」
「弓弦に面倒見られなくたって平気だっての...生きて帰ってきてよね」
『あたりまえだろ』
...このとき、俺は二度と会えなくなるかもしれないなんて
思いもしなかったんだ
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カトレヤ(プロフ) - ハニーさん» すみません、勉強不足でわかりません... (2018年9月24日 21時) (
レス) id: e677d34591 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 海沿いの喫茶店と聞いたら真ッ先に珊瑚礁が出てきます（分かる人にはわかる） (2018年9月24日 21時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
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