Ep.85 ページ38
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「───・・・来い、」
瑠奈は泣きじゃくる。
美咲も、震えて経つのもやっと。
瀬尾くんと西崎くんは恐怖で顔が引き攣り、
里見くんは覚悟をきめた表情。
『先生お願い・・・!やめて、』
駆け寄った私の胸に、先生は銃口をあてがった。
「A!!」
「緒方やめろ・・・!」
やめろ、Aちゃんやめて。
後ろで、みんなの声がする。
「・・・退け、殺すぞ」
先生の目は、酷く冷たい。
『・・・いいよ。
それでその子達が助かるんなら、殺せばいいよ!!』
先生の後ろで縋るように見つめてくる瑠奈と美咲。
私の後ろでは、皆の叫ぶ声が聞こえてくる。
「ここで俺がお前を殺しても、お前を差し引いてこの中の誰か4人は必ず殺す」
崩れ落ちる、美咲と瑠奈。
もう、どうしたらいいかわからない。
『どうすればいいの、どうしたら皆助かるの・・・!!』
涙で視界がぼやけて、先生の顔がよく見えない。
「もういいよAちゃん・・・!」
『良くない!!』
宥めるように言った里見くんに怒鳴る。
『死んで償おうとか、そんなの馬鹿げてる!!
澪奈にしたこと、心の底から後悔して、一生その罪背負って生きていけ!!
死んだらなんにも出来ないじゃん!!』
許さない。許さないからこそ、死んで欲しくない。
香帆だって同じ。
澪奈にしたことに関して許したつもりは無い。
でも、一生罪を背負って生きていくと決めた態度だから、私も同じつもりで香帆と向き合った。
「・・・緒方、」
『なに!!』
先生は、目をつぶって深呼吸した。
「────・・・ごめんな」
────ガンッ
側頭部に鈍い痛みが走って、視界が真っ暗になった。
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しぃも(プロフ) - りんさん» 返信遅れて申し訳ないです。 “ しぃも ” で作者検索していただければ出てくるかと思います。 何かしらのバグが起きたらしく、なぜか私の作品じゃない扱いになっておりまして、、(笑) お手数おかけしてすみません! 目を通して頂いてありがとうございます。 (2019年4月6日 23時) (レス) id: 1ee6008b97 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 人質1が見つからないです(泣) (2019年4月3日 23時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)
◎SaE(プロフ) - いつも拝見させていただいてます!字体変えたらシリアス度増し増しですね…!更新応援してますっ (2019年2月5日 8時) (レス) id: 522d62b950 (このIDを非表示/違反報告)
saya - 続き、早く読みたいです。 応援してます (2019年2月1日 20時) (レス) id: bb5437bc9e (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ(プロフ) - あんれぇ〜?こんな所に崇める事しか出来ないほどの最高小説があるぞぉ〜?←いやもうね、最高w凄い面白い!これからも頑張ってください! (2019年1月25日 1時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃも | 作成日時:2019年1月16日 4時