Ep.86 ページ39
side Kayano
『───死んで償おうとか、そんなの馬鹿げてる!!
澪奈にしたこと、心の底から後悔して、一生その罪背負って生きていけ!!
死んだらなんにも出来ないじゃん!!』
涙をボロボロ流して里見くんに怒鳴るA。
こんなに怒って、こんなに泣く子だなんて、こうして人質にされてから知った。
殺されるのが私じゃなくてよかった、なんて少しでも思ってしまった自分が本当に情けない。
私の親友は、先生が構えた拳銃の前に飛び出して “私を殺してみんなを助けて” と懇願したのに。
「・・・緒方、」
『なに!!』
Aの胸に拳銃を当て続ける先生は、ゆっくりと目をつぶって深呼吸した。
────ガンッ
Aに向かって小さくなにか呟き、銃の持ち手でAのこめかみ辺りを思いきり殴った。
「A・・・ッ!!」
「緒方!!てめぇ・・・!!」
「動くな!!!」
気を失って崩れ落ちそうになったAを抱きとめた先生は、私達に銃を向けた。
「・・・不破、」
「、なんだよ・・・!」
気を失ったままのAは先生の手から不破くんに渡る。
誰も何も発さない。
廊下から堀部さんの泣きじゃくる声が響いてくる。
しばらくして。
────ドォォオン・・・!!
美術室から、爆発音が聞こえてきた。
甲斐くんや石倉くんが教室を出ていき、それに続くようにそっと教室から美術室を覗くと。
「・・・ッ!!」
制服を着た、人の足や腕。
・・・息ができない。
涙が止まらない。
先生、どうして。
《 ───刑事さん。
あなたのせいで、5人の命が犠牲になりました。
今、あなたが抱いている感情は、怒りですか?絶望ですか? 》
答えを外した刑事さんに向けて、そう問いかける。
自分の体を抱きしめて、止まらない震えと底知れない恐怖に耐えるしかなかった。
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しぃも(プロフ) - りんさん» 返信遅れて申し訳ないです。 “ しぃも ” で作者検索していただければ出てくるかと思います。 何かしらのバグが起きたらしく、なぜか私の作品じゃない扱いになっておりまして、、(笑) お手数おかけしてすみません! 目を通して頂いてありがとうございます。 (2019年4月6日 23時) (レス) id: 1ee6008b97 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 人質1が見つからないです(泣) (2019年4月3日 23時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)
◎SaE(プロフ) - いつも拝見させていただいてます!字体変えたらシリアス度増し増しですね…!更新応援してますっ (2019年2月5日 8時) (レス) id: 522d62b950 (このIDを非表示/違反報告)
saya - 続き、早く読みたいです。 応援してます (2019年2月1日 20時) (レス) id: bb5437bc9e (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ(プロフ) - あんれぇ〜?こんな所に崇める事しか出来ないほどの最高小説があるぞぉ〜?←いやもうね、最高w凄い面白い!これからも頑張ってください! (2019年1月25日 1時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃも | 作成日時:2019年1月16日 4時