検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:3,479 hit

100猫の三日目 ページ3

.


征十郎の膝に乗ってから、軽く十分は経ったんじゃないだろうか。


俺としてはもう下りたいのだが、イジイジと征十郎は俺の耳を弄るものだから、下りるにも下りられないのである。

(くすぐ)ったいのだ、耳を弄られるのは。


「……あの、征十郎?」

「なんだい?」

「……下りたいなぁ、なんて」


笑い半分で征十郎に聞いてみると、少し間を置いて「ダメだ」と言ってきた。


「……Aが、ふかふかじゃないのが、不思議だな」


そう言って、キュッとまた、腰に巻きついた手を強めた。


「そんなに?」

「あぁ、柔らかくない。……でも、暖かい」


そう言って、嬉しそうに目を細めて笑うものだから、それ以上は何も言えなかった。

……結局の所、俺は征十郎に弱いのである。


「でも、本当に何故人間になったんだ?」

「さぁ。朝起きたらこうなってたとした言えないよ。」



もしかしたら、俺の夢なのかもと、頬を引っ張ってみるけれど、痛い。じんじんする。






100猫の四日目→←100猫の二日目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

キチガイな名無しの権兵衛(プロフ) - 佳仁さん» ふふふ、来ましたよ、番外編。こちらもまあ更新はボチボチとしていきます。何卒、宜しくお願いします。 (2017年3月13日 21時) (レス) id: 69acd8442d (このIDを非表示/違反報告)
佳仁(プロフ) - 番外編きたぁ!! (2017年3月13日 21時) (レス) id: 6bff3cee54 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:キチガイな名無しの権兵衛 | 作成日時:2017年3月13日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。