100猫の三日目 ページ3
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征十郎の膝に乗ってから、軽く十分は経ったんじゃないだろうか。
俺としてはもう下りたいのだが、イジイジと征十郎は俺の耳を弄るものだから、下りるにも下りられないのである。
「……あの、征十郎?」
「なんだい?」
「……下りたいなぁ、なんて」
笑い半分で征十郎に聞いてみると、少し間を置いて「ダメだ」と言ってきた。
「……Aが、ふかふかじゃないのが、不思議だな」
そう言って、キュッとまた、腰に巻きついた手を強めた。
「そんなに?」
「あぁ、柔らかくない。……でも、暖かい」
そう言って、嬉しそうに目を細めて笑うものだから、それ以上は何も言えなかった。
……結局の所、俺は征十郎に弱いのである。
「でも、本当に何故人間になったんだ?」
「さぁ。朝起きたらこうなってたとした言えないよ。」
もしかしたら、俺の夢なのかもと、頬を引っ張ってみるけれど、痛い。じんじんする。
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キチガイな名無しの権兵衛(プロフ) - 佳仁さん» ふふふ、来ましたよ、番外編。こちらもまあ更新はボチボチとしていきます。何卒、宜しくお願いします。 (2017年3月13日 21時) (レス) id: 69acd8442d (このIDを非表示/違反報告)
佳仁(プロフ) - 番外編きたぁ!! (2017年3月13日 21時) (レス) id: 6bff3cee54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キチガイな名無しの権兵衛 | 作成日時:2017年3月13日 20時