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17話 ページ22

二郎side

貴『…っ……大丈夫……っ!』

そう言ってアイツは、

施設から、

逃げるように出ていった。

いつか死ぬんじゃないか、

助けなきゃいけないんじゃないか、

助けたい、

そう思っても、

俺の足は言う事を聞かなくて、

その場から全く動かなかった。

アイツが施設から出ていくのを、

きっと止めなければいけなかった

筈なのに、

俺は止める事も、

今、アイツを、

追いかけるような事も、

できないままでいる。

最低、なのかな。俺。

でも、アイツの方が、

数億倍、

俺らに最低な事をしてる。

筈なんだ。

だから、

だから追いかけなくても…

いいんだ…。きっと。

何度自分に言い聞かせても、

アイツの辛そうな顔が

何度も何度もチラつく。

アイツも、俺らも、

お互いが嫌い同士な筈だ。

……じゃなきゃ…困る…。

アイツも俺らを嫌いでいないと、

俺らはきっと、

何十年後、

絶対に後悔する。

俺らが間違えた事になる。

お互いが、

お互いを許さないでいれば、

きっとこの曖昧が、

ずっと続く筈なんだ。

それでいい。

はっきりなんてしなくていいから、

この曖昧な関係が、

これからもずっと続けば、

それでいいんだ。

めんどくさい事は決めたくない。

俺はもっと、

楽に生きたい……。

いや…違うのかも…。

俺はまた…

アイツと、

姉さんと、

家族として、

また一緒に、

過ごしたいんだ。

曖昧でいいなんて嘘だろう。

だって俺は、

今でも姉さんが、

大好きなんだから。

そう思うと、

勝手に足が動き出した。


……



姉さんの元へと。

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設定タグ:ヒプノシスマイク , 山田家 , 過去編   
作品ジャンル:泣ける話
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マカロニサラダ(プロフ) - おっふさん» 申し訳ありません!手違いで直接ご返信できませんでしたが!読んで頂けると嬉しく思います! (2019年8月7日 23時) (レス) id: 1d4119f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニサラダ(プロフ) - バレてしまったなら仕方がない…!実はおっふさんが好きそうなストーリーをこっそり研究してたんですよ!っていうのはもちろん嘘ですよ…!ご愛読下さりありがとうございます!! (2019年8月7日 23時) (レス) id: 1d4119f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
おっふ - わぁっ、、すげぇ、ストーリーが私好み、、、、え?なんで知ってるんですか、わたしの好きなストーリーとか← (2019年8月7日 23時) (レス) id: dfac6954d1 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニサラダ(プロフ) - キユぎつねさん» コメント誠にありがとうございます!!最近また更新頻度が落ちてきてるので、頑張ろうと思います……。 (2019年8月4日 2時) (レス) id: 1d4119f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
キユぎつね - この作品を初めて読んだ時はさ、こういうのもいいなーって思っていたけどさぁ、過去の話になってから「う”あ”あ”ぁ”ぁ”!!姉さぁ”ぁ”ん”!!」と発狂するようになったでござるる(^^) (2019年8月3日 18時) (レス) id: 00266d32c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マカロニサラダ x他1人 | 作成日時:2019年3月3日 22時

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