16話 第4試合の相手は ページ37
雷門イレブンが、部室のドアを開けると、いきなり趙監督の顔がドアップで視界に飛び込んできた
「監督!!」
「完全な濡れ衣でしたよ」
「でも一体どうして…」
「あのっ、僕のせいなんです!」
ホワイトボードの裏から、例のお面が現れた
「監督の子分っぽい人だ!」
『それ、ぽいじゃなくて、子分だろ』
「はい、李子文です!」
「名前も子分!?」
「まぁ、もうこのことは…」
『いいんじゃないのか?』
あれだけ監督を批判していた海風が、1番に言う
趙監督もそそくさと話をうち切ろうとするが、李子文は勝手に事情を説明し始めた
「実は監督に頼まれて送ったムフフな画像ファイルが、ウィルスにやられてて!」
『……』
「えっ!?」
「ムフフって?」
のりかは素で聞き返した
『さぁな…』
(あ、逃げたな)
のりかに聞かれた海風は、サッと目を背ける
それを見ていた道成は、静かに思った
「だからもう…」
趙監督は話を流そうと必死だが、李子文の口は動きっぱなしだ
「そのせいでパソコンが乗っ取られて機密情報にアクセスしてしまったんです!!
すいません、ボクがあんな!あんなすっごくムフフな画像さえ送らなければっ!!」
黙って聞いていた氷浦が、顎に手を当ててクールな表情で考え込んでいた
そして、おもむろに口を開いた
「ムフフって、どんな画像だ?」
『さぁな…』
のりかに続いて氷浦にまで言われる始末
海風は、もう早く終われと言う意味も込めて言葉を発した
(まぁ…)
海風は天井に目を向ける
(そのムフフな画像及びウィルスを流させたの…私なんだけどな)
そう、この一連の監督逮捕の騒ぎは全て海風が起こしたものである
帝国学園のことについて調べていた海風は、自分のパソコンから趙監督のパソコンを経由していた
『チッ…何も出ないか』
特訓情報も何もなく、全てが非公開になっているので海風はクルクルと椅子で回ると、パソコンの画面を見つめた
おもむろに、ファイルのボタンを押す
『ん?』
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2019年9月18日 0時