ヒロトと灰崎の前世の物語 (ページ27)

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二十七ページ27

ヒロトside

ヒロト「そうだ･･･思い出した･･･」

灰崎の話を聞いている内に少しずつ記憶が元に戻っていた。そして、花畑の所まで来ると完全に記憶を取り戻した。

ヒロト「あの後･･･俺達は･･･」

考えただけで辛くて悲しくて心臓が張り裂けそうだ。まさか全てを忘れていなんて今でも信じられねぇ。

灰崎「あぁ。捕まって人間界に落とされたんだ。」

そうだ。俺達は人間界で生まれ変わって今に至る。

それを聞いて、俺はとうとう我慢が出来なくなって涙を流した。

灰崎「でも、こうしてまたお前に巡り会えた。俺達は幸せもんだよな。」

ヒロト「うん･･･ありがとう･･･また会えたな･･･ルナ。」

灰崎「･･･そうだね。アレキ。」

人間界でバラバラにされたけど、さいしゅうてきにまたこうして巡り会うことが出来た。これからはずっと一緒に居られるんだよな。

あっ、そう言えば俺、今すぐにやらないといけない事があるな。

ヒロト「おい灰崎。」

灰崎「なんだ？」

俺は灰崎の手を握って、手の甲にキスをした。

灰崎「お、おい！」

ヒロト「俺と結婚してくれ。」

あの時は違反行為をするのが怖くて自分から言うことが出来なかった。だから、今度は俺の方から言わねぇとな。

灰崎「で、でも俺は男として生まれてきたんだぞ･･･」

ヒロト「そんなこと関係ないだろ？」

灰崎「うん･･･ありがとう･･･嬉しい！」

その笑い方はあの時と変わらずとても美しい笑顔に感じた。