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｢っ！｣
急に自分の名前を挙げられてﾊﾞｯと顔を上げる明星くん。
その様子を見て氷鷹くんが顔を顰める
｢……明星。知っていたなら何故昼の段階で言わなかった？俺たちはチームだろ？隠し事はチームの秩序に＿＿＿｣
｢しょうがないじゃん！！俺だって情報が欲しかった！｣
責め立てる氷鷹くんに対して明星くんはグッと手を握りしめて耐えるような表情で訴える
2人の言い合いによって凍りついたその場を収めたのは低く落ち着いた声だった
｢まぁまぁ。氷鷹くん。明星くんを責めるでない｣
｢なに？朔間先輩あんたも黙秘した事を不問にするのか？｣
｢……しょうがない事なのじゃよ。彼女の一件においてはのう。何せ本当に情報がないのじゃから｣
...のう？明星くん。
｢っ、｣
｢……氷鷹くん。お主は知らんと思うが、彼女は本当に突然姿を消した。五奇人の我らであってしても何も分からなくてのう。彼女と親密だった人間が情報を欲するのは自然の摂理じゃ｣
｢だが！｣
｢実際。昼に明星くんから彼女の情報を聞き出せていたならお主はわざわざ我輩に尋ねる事もなかったはずじゃ。彼はそれを避けたかったのじゃよ｣
＿＿＿＿少しでも情報を増やすために、
朔間先輩にそこまで言われた所で氷鷹くんも怒りが少し収まったらしい。
小さく“悪かった”とだけ告げて顔を背けた
｢…まぁ良い。無知なお主らの為に少しの置き土産じゃ｣
確かに彼女は誰にも何も告げないまま姿を消した。
……だが、1人だけ彼女からメッセージを受け取った人がいた。
たった一言だけ。別れの挨拶を、
｢(…………あ、)｣
そこまで言われて記憶が強くフラッシュバックする
＿＿＿＿＿
｢手がかりは彼女が騎士に残した一言のメッセージだケ。｣
＿＿＿＿＿
｢き、騎士！！！｣
｢…………よく知っておるのう。正解じゃ｣
まさか逆先くんのとんでも御伽噺がここで役に立つとは…
……ん？
あれって本当に御伽噺？
だってあの物語の主人公は、
｢っ！？｣
｢……そういう事じゃ。残念じゃが我輩が話せるのはここまででのう。お主らは特訓の時間じゃ｣
そう言って目を伏せて指を鳴らすとどこからか双子と大神くんが現れる
私たちに動揺を残したまま地獄の訓練が幕を開けた
｢(……途中から着いていけなかったけど騎士ってKnights？泉さん！？)｣
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作者名：八月蝶 | 作成日時：2023年3月3日 23時
