【第10話】 ページ13
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訳も分からず生徒会室から出されたAは頭にはてなマークを浮かべながら、もともと行く予定だったレッスン室に向かった。
『 あ、メモ帳…教室に忘れちゃったね 』
そして途中で気がついた、いつも使っているメモ帳を教室に忘れていたことを。
Aはどのユニットでのプロデュースの時はメモをとっていた。
メモを取ったものをユニットごとのノートに写して纏めていたのだ。
レッスン室に向いていた足を自身の教室に向けて、少し小走りで進んでいった。
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2年教室、窓が少し開いて風でカーテンとその中にいる彼の髪を揺らす。
ドアを開けて教室に入ってきた人物…Aは中にいた彼を見て驚いた。
『 え、千秋くん…?なんで…泣いて…? 』
彼…守沢千秋は教室の隅で1人、泣いていた。
「 えっ、あ、A、なんで 」
いつもヒーローに憧れ、ヒーローになりたがった千秋はアイドルとしても熱心に活動した。
しかし、千秋とは対照的に同じユニットの人は熱心に活動しようとはしなかった。
その結果、毎日の練習も千秋1人でやっている。
様々な辛さにとうとう心が折れた千秋は教室で一人泣いていたのだ。
そんな事情を知っているAは千秋の泣いている姿を見て全てを察した。
Aをみて困惑する千秋に近づいて頭を撫でる。
『 私、兄さんにこれをしてもらうと凄く安心するんです。大丈夫、大丈夫 』
そうゆっくり優しく撫でるAに千秋の涙腺はさらに緩くなって、声は出さないものの肩を震わせて泣いた。
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ミラ - 更新楽しみにしてます! (2020年3月22日 18時) (レス) id: b8fc8df598 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷるぱい - めちゃくちゃ好きな話です…!個人的にれおくんとの絡みを楽しみにしております(笑)更新頑張ってください! (2019年3月31日 4時) (レス) id: 7f42fd7b15 (このIDを非表示/違反報告)
岡崎 流儀☆*。(プロフ) - 凄く面白いですね!それで、間違ってたら申し訳ないんですがプロデューサー科では無く『プロデュース科』ではないでしょうか?更新頑張って下さいね!! (2018年8月29日 17時) (レス) id: f88ab442e8 (このIDを非表示/違反報告)
ワカメ - とても面白いです!できれば夏目との絡みが見たいなーなんて...更新頑張って下さい! (2018年6月4日 14時) (レス) id: c392d9b03c (このIDを非表示/違反報告)
skycolor(プロフ) - 姫宮桃李ちゃんか、仁兎なずなくんか、朔間凛月の絡みが見たいです! (2018年5月27日 22時) (レス) id: b1bee3d1dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:篠宮仁奈 | 作成日時:2018年1月6日 10時