ねぇねぇりっちゃん【あんスタ】

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しゃがんだ彼に私は手を差し出した
悴んだ手が彼の温もりで暖かくなった。


告白は雰囲気を大切にと
誰か偉い人が言っていた気がした
雰囲気って何なのか私にはよくわからないけど今はそういう雰囲気だと勝手に思った。


動機が早くなって
顔が熱くなるのがわかって
必死でマフラーに顔を埋めて隠した。




｢この前はごめんってずっと言いたかった｣


｢え？この前って……あっ｣







言葉を先に発したのは彼だった
この前、と言う言葉が指す言葉で紛れもなくあの、キスの事だろう。

さっきまで熱かった頬がぼっと真っ赤になった。


この前のことを鮮明に思い出してしまったから






｢え、え、ああの、あれだよね！うん、大丈夫！気にしてないっていうか、私こそ本気にして、ごめん。｣








男慣れはしてる方ではない
小さい頃からりっちゃんまおちゃんしか関わりがなかったから。

ましてや、異性とキスなんてものはした事がなくて。


相当焦ってしまった。




｢…………った…けど。｣


｢え？｣







ぼそっと彼の言葉が北風と同時に通り過ぎた
私の耳に届かず聞き返す。









｢冗談であんなことすると思う？｣


｢………ふぇっ！？｣


｢ほんとに分かってなかったんだ。ほんっとに鈍感。｣








それは紛れもない



彼からの『告白』だった

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