【ブルーロック】押しが強すぎる許嫁。【御影玲王】

お姉ちゃんなんて。 ページ3

「あ、A……」

Aは家の廊下で姉に会った。

「……」

「ごめんね、私が玲王君の許嫁になっちゃって……」

梨子はとても申し訳無さそうな顔をして、Aに謝った。

「なんでお姉ちゃんが謝るの!そうやって、Aちゃんのことわかってないクセに勝手にかわいそうみたいに言わないで!!お姉ちゃんなんか……だいっきらい!!」

「A……」

Aは姉を置いてどこかへ行ってしまった。

お姉ちゃんなんかだいっきらい。

将来を期待されてるのも、かまってもらえるのも。

いっつも損するのは私の方じゃん。

***
Aが1人泣いていた時だった。

「お嬢様、そんな所にいては風邪を引いてしまいますよ。」

「ばあや。……いいの。どうせカゼ引いたって、誰も心配してくれないし。パパもママもお仕事で忙しいし。」

「お父様もお母様も、心配されますよ。傍にいられないだけで。元気のないお嬢様を見るのは私も辛いです。」

「……レオが、お姉ちゃんといいなずけになったって。」

「お嬢様……ええ。鈴木グループと御影コーポレーションを繋げるためにも、避けては通れない道ですわ。」

「……あーあ、Aちゃん、レオのお嫁さんになりたかったなー。」

「A様……」

「でもね、もういいや。パパが決めたことだもんね。」

Aは笑ってみせた。

「立派です、A様。貴女様のその強さをばあやは誇りに思います。ですが、私の前ではありのままのA様でいてください。人払いをしていますから、泣いたって誰にも聞かれません。それに、世界中には素敵な男性がいっぱい居るんですよ。A様にも素敵な人が、きっと現れます。」


「ばあや……!!」

Aは彼女に抱きついて、泣いていた。

そっと彼女は小さなAを抱きしめて、頭を撫でた。

新たな縁談→←鈴木グループの御令嬢

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す