第24話 ページ26
許さない、許さない……!!!!!!!
Aは兄を追いかけた。
けれど狡賢く、逃げ足の早い奴等はもうどこにも居なかった。
諦めるしかなかった。
連絡を受けて、佐野エマが亡くなったことを知ったと同時に、己の非力さに絶望した。
Aが東卍の集会に戻ろうとした際、何者かに捕まった。
***
「…っ!!」
「オマエはしつけぇんだよ、A……」
「兄さん……」
腹を蹴られてジンジンと痛む。
「何度俺の邪魔をした?コソコソと何をしていたかと思えば東京卍會に潜入して。ただオマエは俺の劣化版だ。俺の策を一度として止められたことはなかったな。」
「うるさい……!!」
Aは格闘術で兄を拘束したつもりだった。
すると後ろから長身の男が現れた。
半間、修二……!?
Aは半間によって返り討ちにあい、地面に叩きつけられた。
クソッ、クソ……!!
「ったく、手こずらせやがって。お前みたいな妹なんかいらねぇよ。そこで大人しくしてろ!!」
Aは腕を縄で縛られてしまっていた。
***
Aは懸命にナイフで縄を解こうとしていた。
ここから天竺との抗争の場所はそう遠くない……
ぼんやりだが、Aはこれから自分がどうなるのかを何となく知っていた。
それを受け入れられるかどうかだった。
まだ起きていない、そう遠くはない未来。
防ごうと思えば防ぐことのできる未来。
けれど彼女の中の答えはひとつ。
「君の為なら、それも悪くないね。」
縄を解き終えた。
最後は特攻服じゃなくて、普通の服がいい。
Aは特攻服から着替え、身なりを整えた。
さあ、私の仕事も、あと少しだ。
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作者名：桜花 | 作成日時：2022年10月20日 21時
