検索窓
今日:9 hit、昨日:8 hit、合計:16,450 hit

第五十六話 ページ10

「A……!!」

色んなところを探し回った。

そして家からだいぶ離れた所で、竜胆は自分が過去に付き合った女達を見つけた。

なんであんな所で……?

「竜胆、久しぶりね。あの子、自分の罪に耐えきれず、飛び込んじゃったわ……」

「そうなの…けどこの濁流の中じゃ…」

次の瞬間、竜胆は水の中に一切の迷いなく飛び込んだ。

「は…?嘘でしょ?本当か嘘かもわからないのよ?それなのに何でそこまで……!」

A、どこだ…!さっきあそこにあったAの靴に血が付いてた。

Aは足を怪我している……!!

クッソ…!水の量が多すぎてどこにいるか分かんねぇ…!!

…─!?

そう思った時だった。
水の中で、何かがキラリと光ったように見えた。

その一瞬の光を頼りにひたすらそこへ泳いだ。

……これだったんだな。お前の場所を教えてくれたのは。

もう、迷わねぇ。
お前がどこか遠くへ行っちまっても、俺が必ず見つけ出す。

「っ!!」

竜胆はAを抱きしめて、水面から顔を出した。
必死に息を吸う。
Aは気絶してるけど生きてる……!

「はぁ、はぁ…」

Aを連れて竜胆は陸に上がった。

女達は居なくなっていた。けど今はどうでも良かった。
Aが生きてた、それだけで……

Aの身体がどんどん冷たくなってる……
足の怪我もひでぇ…

早く医者に、見せねぇと…

竜胆の腕の中のAの左手の薬指には彼から貰った指輪が光った。

第五十七話→←第五十五話



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
96人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桜花 | 作成日時:2022年10月16日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。