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第四十九話 ページ3

「!!A……!!待ってよA…!!」

もう!ちょっと目を放した隙に……!!

Aは開いたままの彼女の携帯の画面を見てしまった。
蘭との連絡を。どこで喧嘩をしているのか。

「竜ちゃん…!」

***

関東事変。
天竺と東京卍會による大規模な抗争。

「兄貴が有名だとお互い大変だな。」

灰谷兄弟は八戒にソウヤと対峙していた。

「っ……!」

「……お前がAの恋人?」

「……何?」

「何でもねぇよ。」

***
「っ……!!」

この二人の連携、強すぎるよ…!このままじゃ八戒も俺も……!!

俺は右腕折られちゃったし……

「次は脚いくぜ!!」

「くっ」

この人本当はやい!

「折るぞオラァ!!」

「まっ」

「アングリー!」

次の瞬間、竜胆は彼の脚を折っていた。

お前だろ、Aと両思いのヤツ。知ってんだよ。

俺はお前が心底羨ましいし憎いと思ってる。

だからコイツ見てすげぇイライラした。こうしてやりたくてウズウズしてたんだぜ俺は。

お前に俺の気持ちが分かるか?ずっと思い続けてきたのに後から現れたお前みてぇな弱虫に掻っ攫われた俺の気持ちが。

なぁ?

***
俺を使い物にならないと読んだ灰谷兄弟は八戒に二人がかりで襲いかかる。
このままじゃ八戒が死んじゃうよ…!

ふと、彼女の顔が頭を過ぎった。あの子はあんなに優しいのに、何でコイツらこんな酷い事が出来るんだよ…!!

あの子と全っ然似てない……!
…このままじゃ八戒が死んじゃう。そんなの嫌だ…


あの子は優しいから、今の俺みたらきっと泣いちゃう。悲しんじゃうよ。人の痛みを理解できる子だから。

あの子は今まで泣きっぱなしの人生なのに。

「もうやめてよぉぉ…!ばあかぁあ…!」

そして彼の中の青鬼は、唐突に目覚める。

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作者名:桜花 | 作成日時:2022年10月16日 19時

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