第13話 ページ14
「そこ、足元気を付けてな。」
「う、うん…」
ここ、結構暗いな…どうしたんだろ…
ちょっとドキドキする…おばけとか出ないよね…?
「ほら。」
「…え?」
ドンという音ともに打ち上げられた花火。
「すっごくキレイ…!!」
「だろ?ここからがよく見えるんじゃねぇかなって、目ぇ付けてたんだ。」
「さすがココ君!ねえココ君、今日はありがとう。わたしのワガママ聞いてくれて、一緒に遊んでくれて。わたし、すっごく楽しかったし、嬉しかった。」
「Aちゃん…俺の方こそ、ありがとな。さっ、もう帰るか。あんまし遅いと心配されるぞ。」
「うん!…!」
「大丈夫か?」
「ううん、何でもない。」
****
「…あれ?Aちゃん、下駄の鼻緒切れてるぞ。」
「えっ、ほんと…!?」
「ああ。背中乗りな、さすがにそれで歩くのキツイだろ。」
「あ、ありがとう…」
小さくて、年相応にまだあまりない体重。
「綿あめ、おいしかった。かき氷もアイスもたこ焼きも…またココ君と来たい。兄ちゃんに会えるようになったら、兄ちゃんも…」
「ああ。そうしような。」
暫く俺たちは他愛ない話をしながら歩いた。
「…?Aちゃん?もう寝たか。」
…わたし、また君と一緒に夏まつり、行けるのかなぁ…
神さま、お願い…
私はココ君が景品でくれたブレスレットを付けている手で、ココ君の浴衣を優しく掴んだ。
これから先も、ココ君といられますように。
兄ちゃんに会えますように。
そうやって、星に願いをこめた。
この時彼女が、不安に怯えて涙を流し、震えていたことを俺は知らない。
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桜花(プロフ) - 月華さん» 読んでいただき本当にありがとうございました!!ココ君の気持ちからしても主人公からしても辛いお話でした。切ないお話は初でしたので沢山考えて頑張りました! (2022年8月1日 5時) (レス) id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 桜花さん» 切なくてそれでも温かいお話でした。夢主ちゃんと結ばれて欲しいような気もしましたがそれではココくんはずっと赤音さんを切れないんだろうなと。素敵なお話しありがとうございました。 (2022年8月1日 2時) (レス) @page39 id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 雪海さん» この物語もいよいよ終盤に向かってきてますね…最後までお付き合い下さいませ! (2022年6月26日 11時) (レス) @page27 id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
雪海(プロフ) - うう…切ない (2022年6月26日 10時) (レス) @page27 id: ea036f2a24 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 引きこもり隊さん» プレゼントの渡し方はこれがロマンチックかなって思ってましたっ!!こういう雰囲気いいですよね!!! (2022年6月22日 21時) (レス) @page22 id: e0b4a0dc7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2022年5月28日 19時