人気まだまだ急上昇中です【歌い手】

莉犬「13話です！」 ページ18

『はぁ...緊張した。
最後の動画あげなきゃな』


〈【最後に】さよならのかわりに、花束を 歌わせて頂きました〉

いつかまた、どこかで巡り会いましょう。
あなた達のくれた花を私は、次会う時に返せるように大事に育てます。

また別に、あなた達と咲かせた私の花は枯れてしまいました。
もう一度、美しく咲き誇ることがあるでしょうか。



『...よし。』

Twitterのアカウントも、公式LINEも、OPENRECもキャスも、ニコニコ以外のアカウントを全て消す。

SouAさん...
Aん?
Sou少し、今のシェアハウスの状態について話したいです。カフェとかで会えますか?
Aうーん...こっちの住所送るから来てもらえる?
Sou了解です!歌詞さん達も一緒に行きます
A待ってるね

生放送、見てたのかなぁ〜。
どんな反応なんだろ。







Souくんから告げられたのは、引退なんかより重大で、私の怒りを沸騰させるには充分な内容だった。

Sou「A、さん...。」

『暗い顔して何かあった？』

Sou「実は、Aさんがいなくなったあと、96猫さんが、美彩さんに突き落とされて...今、意識不明の状態なんです」

『＿＿＿ウソ、でしょ？』

Sou「美彩さんは、このシェアハウスの男性歌い手さんを自分のモノのように思ってます。
...だから、女性である96猫さんを階段から突き落としたのだと思います。

僕、見たんです。写真も撮りました。助けようと思って走りながら撮ったのでブレてますが...」

そこには、落ちている96ちゃん...96猫さんと、明らかな悪い笑顔で両腕を伸ばし、階段の上の方にいる美彩がいた。

本当に助けようとしたみたいで、96猫さんは髪色とかでやっと判断できるくらいだけど、充分な証拠だ。

Sou「ごめんなさい...間に合わなくて...」

『ううん、そうやってしてくれただけでもいい事だと思う。
96猫さん、どう思ってるのかな。意識が復活したら教えてよ』

Sou「はい...。
で、美彩さんは悲鳴をあげたあと「96ちゃんが落ちたの！」って嘘をついてました。僕は美彩さんに睨まれて、どうしようもできなかったんです。

それから、病院に送って、しばらくしたら引退発表だったんです。
言いたくないんですが、喜んでる人もいました。」

『だろうね...w歌詞さんももう少しで着くみたい。一緒に話そう』

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