26day ページ27
あんずside
なんで、A先輩が自分のことを話さないのか知った。
なんで、A先輩が私を気にかけてくれているのか知った。
「あぁ、今日はいろいろサボっちゃったな。」
もう夜、黒い幕がかかった空には星が煌いている。
一人で帰るのなんて久しぶりだ。いつもtrickstarのメンバーと一緒に帰っているから。
A先輩は、瀬名先輩と一緒に帰ってるんだよね。
なんだかんだ言って、
瀬名先輩がA先輩を見る目はとても優しいし、
瀬名先輩自身が気づいてなくても、周りから見ればはっきりわかる気持ち。
A先輩のことを考えた途端、頬を伝うあたたかいものに気づいて足を止める。
「…あれ?」
涙、だ。これは涙。
そう認識した途端にもっと溢れ出てきて、手の甲で拭いた。
「…っ、だめ、A先輩がいない世界なんてっ、想像できない…っ」
涙が止められなくなって、近くにあった公園に入った。
A先輩がいたから、今の私がいるんだ。
「っう、うう…ひっく」
___「…あんず?」
ふと背後から声がして、振り向いた。
「っ、仁兎先輩…」
「とっ、とりあえず泣きやみぇっ!にーちゃんがティッシュ貸してやるかりゃ!」
仁兎先輩は私が泣いていることに相当慌てているのか、かみかみだった。
仁兎先輩に背中をなでてもらいながら話を聞いてもらった。
「…A先輩がいたから、今の自分がいると思うんです」
自然と涙は止まり、仁兎先輩の方を見ると、どこか遠くを見据えていた。
「仁兎先輩…?」
「…おれも、Aがいなくなったらやだな
だって、」
「だって…?」
聞いていいことなのか、わからないうちに仁兎先輩が口を開く。
「Aは、Aはおれの、
おれの声を笑ってしっかり聞いてくれたから
おれはそれで生きてるって実感できたから」
「…?」
「わからない話してごめんな」
「…いえ。
私、A先輩が自分のことを話してくれるまで、待つことにしました」
仁兎先輩は少しびっくりしたようにこちらを見て、頭に手を伸ばしてきた。
「あんずは偉いな〜」
頭を撫でられた。
あぁ、やっぱり。
「…A先輩が言ってた通り、この学院には温かい人がたくさんいますね」
「そうだな〜、もう遅いし送ってくろ!」
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リオ - ワカメさんはアウトですよwww (2021年11月23日 0時) (レス) @page48 id: d2c6939725 (このIDを非表示/違反報告)
クリスティ38(プロフ) - なんか、ふざけすぎなかまってちゃんですね。 (2020年1月25日 19時) (レス) id: eb0de2c665 (このIDを非表示/違反報告)
伊達 光秀 - あの…夢主ちゃんって、馬鹿なんですか?←普通、男5人の所に一人で行きませんよね?私だったら行きませんよ。あの、鬼龍さんとかママとかそこら辺連れてボコりに行けば良かったんじゃないですかね…。 (2020年1月14日 23時) (レス) id: f7e36ec018 (このIDを非表示/違反報告)
りんか - 予鈴が日々樹渉のところで吹いたw (2019年9月2日 2時) (レス) id: cb74d323d1 (このIDを非表示/違反報告)
ねむい(プロフ) - mooncatさん» ありがとうございます!!!嬉しいです!!はすみんに怒られたい(M発言)使わせていただきます!!!これからもよろしくお願いします。 (2017年9月10日 15時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねむい | 作者ホームページ:
作成日時:2017年8月20日 23時