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「 これ……マフラー？ 」
「 そうだ！見ての通りマフラーだ！ 」
もしも空の色が絵の具だったなら。空色を全て吸って染めたかのような色のマフラーが彼女の手にある。
「 ラッピングは忘れていたのだが、プレゼントだ！ 」
「 … 」
「 き、気に入らなかった…？ 」
無言でマフラーを受け取るとその色は思っていたよりもずっと綺麗だった。
「 ぷちぷら、というやつでな、そんなに高くないが私が好きなブランドなんだ！ 」
「 あぁ、あんたのマフラーと色違いだもんねぇ？ 」
「 だ、ダメだった…？ 」
「 別にそんなこと言ってないでしょぉ？ 」
緑色のマフラーは彼女の膝の上だ。いつも暖かそうで買おうかな、と思っていたマフラーを貰ったのは嬉しかった。でも、それ以外の理由にももう一つ。
「 や、やっぱり気に入らなかったか！？す、捨てていいから… 」
「 だからそんなこと言ってない 」
彼女に顔を近付ければ仰け反らせるから 頭をがっしりと力強く掴む。
「 ち、かい… 」
「 ほんと、顔はいいよねぇ 」
顔以外にもいいところはあるのだと思う。何故他の生徒が彼女を放っておくのか不思議なくらいには。
「 や、ちょっと、瀬名泉… 」
「 なんでいつもフルネームなの、他人じゃないんだから 」
「 他人じゃ、ない… 」
不思議そうな顔をした後に緩みきった笑顔に変わるまでそう時間はかからなかった。
「 そんなこと言われたの、初めてだ 」
…あぁもう、ずるい。思わず手に力が入って、彼女は痛い と喚く
「 フルネームで呼ばないでよ 」
「 …せな…… 」
「 違うよねぇ？ 」
「 ……………い、ずみ 」
彼女は端末を握りしめた。一度唇が触れそうな距離まで近づいた後、俺は立ち上がる。
「 ５０点 」
「 …な、んで！ 」
「 さぁねぇ？ 」
下校しないと閉められそうだ 美術室の電気をぱちぱちと消して、最後の一つを消す前に呟いた。
「 …ふふ、マフラーありがとねぇ、A 」
薄暗い美術室にシャッター音が響いたのは二人だけの秘密。
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ねむい(プロフ) - minatoさん» そのように感じていただきとてもうれしいです；；お読みいただきありがとうございました。細かい点まで読んでいただき、嬉しい限りです。これからもどうぞよろしくお願い致します。 (2017年12月26日 14時) (
レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
minato(プロフ) - コメ失礼します。お話、すごく良かったです...!ねむいさんの表現や、情景描写がすごく綺麗でせないずの精巧な美しさというか繊細な美しさ的なもの(語彙力不足)と表現によって引き出された情景や登場人物の美しさに感動しました。一言でいうと好きです((お疲れ様でした! (2017年12月26日 14時) (レス) id: 049240713a (このIDを非表示/違反報告)
ねむい(プロフ) - しみ猫さん» とても嬉しいコメントありがとうございます、そのように感じていただけて嬉しい限りです。お読みいただきありがとうございました！ (2017年12月13日 23時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
しみ猫(プロフ) - 感動しました、夢主の天才だけど、とても人間らしくて、読むのがとても楽しかったです、すばらしい作品をありがとうございました。 (2017年12月13日 23時) (レス) id: 48eca2380d (このIDを非表示/違反報告)
ねむい(プロフ) - イチゴプリンさん» ありがとうございます〜！いえいえ、拙い文章ですが楽しんでいただけたのなら幸いです；； (2017年12月10日 23時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむい | 作者ホームページ：
作成日時：2017年12月6日 18時
