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大人ぶった子供がするみたいな仕草で_____彼女は案外普通のアパートの、一室の扉を開いてみせた。踵を返した瞳は、いつしか色褪せるようにその挑発的な雰囲気を薄れさせている。全て顔に出てしまうのがなんだか懐かしく、そう、感じた。
「 何立ち止まってんの、入るなら入ってよ 」
「 それが人にものを頼む時の態度ってママに習ったの？ 」
「 何言ってんの、凛月くんが訪問者なんでしょ 」
もしこの関係を、表面上、言葉で表すとしたら何になるのだろう。友達でもないし恋人でもない。体を重ねたわけでもなければ、俺はよく知らないから知り合いでもない。まあ彼女は俺のことをよく知っていると言うそぶりを見せるのだが。そういうことで考えると、俺たちは今日初めて、“ 正式に知り合い ”になれるのかもしれない。
「 だーかーら！考え事なんか後でいいから早く入ってってば！ 」
背中にちいさな暖かさが宿る。
思ったよりも小さいその熱に少し心臓が跳ねて、後ろ手にドアが閉められる音を聞いた。だぼついた服の袖をぎゅっと握ると彼女は悪戯そうに背後から顔を出した。
「 緊張してんの？ 」
「 してるわけないじゃん。ただ俺の盗撮写真がいっぱい飾ってあったらどうしよ〜って 」
「 あっはは、何言ってんの 」
被っていた帽子を外して跳ねた髪を押さえつけると彼女は後ろからその帽子を取って、俺の前に出るようにしてそれを自分が被った。何をしているんだこの女は。
「 紹介しましょう、これが私の家です 」
「 … 」
「 反応薄っ 」
驚いていただけだ、思ったよりも質素な家に。
家具は必要最低限のものしか置いておらず、片付いているとかそういう問題じゃなくて、まるで一人暮らしを始めて間も無い頃みたいな危うさがある。有名な画家の理解できない絵画の空白みたいに空いているスペースは、悲しくて、なんだか息もできない。
「 …お金はあるんだよ？ただね、ものがたくさんあふれてるのが嫌いなだけ 」
何を基準に大人を決めたのか。年齢か、それとも部屋の充実さだろうか。お金を持っているか持っていないか。経済的に満足か。態度。コミュニケーション能力。状況適応能力。容姿。
_____目の前の彼女は、随分と前に大人になってしまったようだ。
これを見せるために、いや、俺に感じさせるために彼女はここに連れて来たのだろうか。この
自分と同い年くらいの彼女は、自分よりも確実に大人だった。部屋とかお金とか、そういうことじゃなくて、その横顔のかなしさ、が。
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フラッペ - ねむいさん» りっちゃんはいいですよね（＾＾）独特な雰囲気というか無気力で可愛らしいというか……でもライブではきちんとする所、好きです。更新の方は細かく繊細に書かれているのがねむいさんの作品の良いところですので、自分の思うがままに書いていただければ幸いです……♪ (2018年8月22日 1時) (
レス) id: 0c5a8c4f79 (このIDを非表示/違反報告)
ねむい(プロフ) - フラッペさん» ありがとうございます。フラッペさまからコメントをいただくたび、有難いという気持ちで胸がいっぱいになります。お気付きかとは思いますが、私も朔間凛月が一番の推しです。しかし推しほど書くのが難しい！精一杯尽くしていきたいと思いますのでよろしくお願いします！ (2018年8月20日 10時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ - 新作おめでとうございます（＾＾）推しのりっちゃんなのでとても嬉しいです……!!もう一話目で「好き」と口からポロりと出てしまいました。ホントにこの作品の続きがむちゃくちゃ気になります。ねむいさんの事応援してます♪ (2018年8月18日 21時) (レス) id: 0c5a8c4f79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむい | 作者ホームページ：
作成日時：2018年8月15日 23時
