【黒バス】少女が世界を知ったとき。【赤司征十郎】 (ページ25)

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15 ．運命( 2/2 ) ページ25

この場所に似た世界で、少年が言った言葉。

赤「人はこれを、運命と呼ぶんだ」

物語には続きがあるけれど、
わたしは目覚めてしまって、
その先がわからないでいた。

赤「君と出会ったことで、ひとつわかったことがあるんだ」

『なに？』

赤「僕は君が好きだ」

『え…っ？』

彼の放ったその一言で、わたしは全てを理解した。

ずっと疑問に思っていたこと。
この感情がなにか、今ならわかる気がする。

『 ……あのね、赤司くん。わたしもひとつ、わかったことがあるの』

赤「なんだい？」

『わたしは、こんな感情知らなかったし、経験することなんてないと思ってた。でもね、たぶんその感情は、恋なのかもしれない。…わたしもね、赤司くんのことが好き、です』

本当にこれが恋なのかなんて、正直自信はない。
でも、恋だと信じたいわたしがいる。
その相手が赤司くんであってほしいと思う。

ただ、赤司くんと同じ気持ちでいたい。

『本当にありがとう』

わたしがそう言うと、赤司くんはそっと、
わたしを抱き寄せた。

赤「僕だって、恋をするなんて思っていなかったよ。部活や家のことで忙しくてそれどころじゃなかったのに、Aと出会ってから、なによりもAが大切になっていた。それが恋だと気づいたとき、幸せに思えたんだ」

『わたしも、赤司くんが１番大切だよ』

赤司くんの背中に手を回してみると、
より一層、赤司くんの腕に力が入った。

苦しくて息が出来ないくらい。
でも、幸せで死んでしまいそうなくらいに。

この世界は、幸せで溢れかえっている。

17年間の暗闇は、すぐには消えない。
でも、それを少しずつ光に変えることはできる。

なにも知らなかったわたしが、
世界を美しいと思えるなら
それが１番の幸せなのだろう。

少女が世界を知ったとき、
少年はなにを思うのだろう。

ふたりを繋ぐ、運命_____。

_____Fin．？