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13 .少年 ページ22



暗闇にふたり。

少女の涙は止まることを知らなかった。

そんな少女を、ずっと守り続けている少年。



「 それじゃあ少し、面白い話をしようか 」

「 面白い話 ?」

「 そう。君の涙も、きっと止まるはずだよ 」

「 聞きたい 」



少女は涙を拭いながら、少年の傍に座る。



「 僕と君が出会ったことがどういうことか、考えたことはあるかい ?」

「 ううん、考えたことない 」

「 …僕は、考えたことがあるんだ 」

「 どんなこと ?」

「 僕たちが生きているこの世界には、僕たち以外にも、数え切れないほどたくさんの人が存在しているんだ。その中で、僕はひとりで泣いている君を見つけた。でも僕が、あのとき君に手を差し出さなければ、君と僕は見知らぬ者同士だったはずなんだ。そう考えたら、君と今こうしていることがとてもすごいことなんだ、と思えたんだ 」

「 …わたしには、難しくてよくわかんないよ 」

「 大丈夫。いつかきっとわかるときがくるよ 」



少年は確信を口にした。

いつか少女が気づく、そのときを_____

14 .はじめて→←12 .感情( 1/2 )



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作者名:陽茉理 | 作成日時:2017年8月10日 16時

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