今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:1,468 hit
小|中|大
13 .少年 ページ22
・
暗闇にふたり。
少女の涙は止まることを知らなかった。
そんな少女を、ずっと守り続けている少年。
「 それじゃあ少し、面白い話をしようか 」
「 面白い話 ?」
「 そう。君の涙も、きっと止まるはずだよ 」
「 聞きたい 」
少女は涙を拭いながら、少年の傍に座る。
「 僕と君が出会ったことがどういうことか、考えたことはあるかい ?」
「 ううん、考えたことない 」
「 …僕は、考えたことがあるんだ 」
「 どんなこと ?」
「 僕たちが生きているこの世界には、僕たち以外にも、数え切れないほどたくさんの人が存在しているんだ。その中で、僕はひとりで泣いている君を見つけた。でも僕が、あのとき君に手を差し出さなければ、君と僕は見知らぬ者同士だったはずなんだ。そう考えたら、君と今こうしていることがとてもすごいことなんだ、と思えたんだ 」
「 …わたしには、難しくてよくわかんないよ 」
「 大丈夫。いつかきっとわかるときがくるよ 」
少年は確信を口にした。
いつか少女が気づく、そのときを_____
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
3人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:陽茉理 | 作成日時:2017年8月10日 16時