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夏油side
目の前の少女とは
私の非呪術師に対する疑念が少しずつ現れ始めたときに出会った
任務終わりにたまたま彼女を公園で見かけて
見た目に似合わぬ大人な雰囲気を持っていたのでつい話しかけてしまったのだ
今考えると
ただの不審者だったと思う
彼女は私を見ると眉を顰めた
「お兄さん、すごく辛そうだわ… 大丈夫?」
当時の私はその言葉に驚かされた
彼女の眼は宝石のように綺麗で
まるで心の中を見透かされている気分だった
そして何を思ったのか
私は彼女に呪術師のことは伏せながら、自分のことを話したのだ
自分の呪術のことや思想について
彼女はそれを自分の意見を出しながら聞いてくれた
「別に無理してまで全ての人間を助ける必要はないと思うわよ?
だって、この世の全ての人が貴方のような善人とは限らないもの…
それに、命をかけた戦いの場では利益を考えて行動しないと後で後悔するしね」
「生物には選択という自由があるのよ?
助ける者を選択したって、どうせ選ばれなかった方は死ぬのだから誰にも気づかれないし責められたりもしないわ」
「思想なんかよりも、自分の今の意思を優先しなさい
そうしないと、いつか道を外すことになるわよ」
彼女の意見は冷酷無慈悲だったが
間違っているわけではなかった
私は彼女の話を聞いていて
少しずつ、今の自分の悩みがバカらしく感じるようになった
彼女のように割り切った考え方をすれば
私の悩みはほとんど全て解決するということを知ったからだ
げ「君はすごいね」
「ふふ、気分が晴れたようでよかったわ〜
あっ、そうだ!これあげる」
そう言うと彼女は私にいくつかの種類の薬を渡してきた
げ(え…薬?)
「不味いものを無理して食べるのは嫌でしょう?
だから、味覚を一時的に狂わせて不快な味を感じさせなくさせればいいと思うの
それでそれは苦味や酸味を一時的に甘味に変える薬なんだけど、お兄さんの言っていた味のタイプは酸味と苦味が主な種類だからそれで抑えられるはずよ」
どうやら、貰った薬の内1番多くあった薬は
私が呪霊を取り込むときのあの不快な味を甘味に変えてくれるものらしい
げ(そんなことが本当に可能なのか?)
「あとそれは局所止血薬で、それをかけるとすぐにとはいかないけど止血ができるのよ〜
お兄さん、命の危険を伴うことをしてるってさっき言ってたからきっと役に立つわ」
彼女は微笑みながらそう言った
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ルカ(プロフ) - ユキにゃさん» 指摘してくださりありがとうございます。返信が遅れてしまい、申し訳ございませんでした。 (2021年4月16日 1時) (レス) id: d00150d434 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - ユキにゃさん» たぶん「足して2で割る」は、カナエ(例 4)+しのぶ(例 6)÷2=5って感じで同じ数字同士(同一人物)じゃなくて違う数字同士(別々の人物)的なやつかと。でも設定の「足して2で割る」は私の甘えでしてしまった物なのでしっかり修正させて頂きます。 (2021年4月16日 1時) (レス) id: d00150d434 (このIDを非表示/違反報告)
ユキにゃ(プロフ) - カナエとしのぶを足して2で割ったら結局元通りになりませんか。たまにそういう足して2で割るって言う人いますが、意味不明です。普通に二人に少し似てるとかで良いじゃないですか。小説は面白いのに勿体ない。 (2021年3月17日 13時) (レス) id: 3c1a2ed83c (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください! (2021年2月16日 13時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 今1のお気に入りです! (2021年1月17日 9時) (レス) id: c4f4a3849e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルカ | 作成日時:2021年1月1日 5時