宣戦布告２５ ページ26
旧多一等に片手を取られたまま、慌てて泣き顔を拭いながらダンス客の間に紛れる私。
うわぁ似合わん、ってか浮いてるよ私だけ！
同期が居なくて良かった。
帰りたい…と心で泣いていると、上官から話が振られた。
旧多「A三等、ダンスのご経験は？」
私は言うべきか迷ってから素直に答える。
『…小学校で、ソーラン節…中学校ではオクラホマミキサー踊りました』
旧多「う〜ん、そう来ますか…｣
ジャンルが特殊過ぎた。
旧多「ま、リードは僕しますんで。適当にステップ踏んどいて下さい」
『了解しました…』
曲が始まると旧多一等は有言実行、初心者の私でも余裕で着いて行けるようなリードを施してくれる。
へぇー、これが大人のダンス…と感嘆する余裕が出来るぐらい。
旧多「どうです？意外と楽勝でしょ」
『ですね…』
それはきっと上官のリードのお陰です。
口に出せるほど良い性格してないから心の中でだけ言っておく。
旧多「足踏んだら殺しますからね〜」
飄々と物騒な事を言いながらも旧多一等はごく普通に軽やかなステップを踏んでいて、先日の負傷が未だに負い目となっている私にはそれが少し心配になった。
『あ、あの上官…背中のお怪我は』
くるくるとコマのように回されながら問うと、相手からはごくあっさりとした返答だけが返って来る。
旧多「お気になさらず。もう完治しましたし、あの程度の喰種にそこまでの深手は負わされません」
『…そう、ですか』
旧多「余計な事考えてるとコケますよ。ほら足動かしてA三等」
促されるまま必死にワン・ツーステップを踏みつつも、気分はやはり晴れない。
表情曇りっぱなしの私を旧多一等は初めこそ愉快げに眺めていたが、やがてうざくなったのだろう。
旧多「ハイハイ分かりましたよ…ならこれでどうです、今回の件は…」
旧多「カフェでお茶一回分、A三等の奢り。それで全部チャラにして差し上げます」
上官はらしくない【逃げ道】をわざわざ提案して来てくれて、勿論のこと私は一も二もなく飛びついた。
『あ…ありがとうございます！』
旧多「ぶふっ！従順な貴方って違和感…」
しかしパーティー終了後、私は気付く。
旧多一等の申し出を受ける＝仮にも宿敵である上官を改めて《お茶》に誘わなければいけない、という地獄の等式が成立している事に。
『あ…しまった』
それはもう、見事なまでの自爆だった。
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みきざわ(プロフ) - あずまさん» 鼻血どんどん出しましょう！(笑)閲読有難うございます〜！ (2019年1月23日 19時) (
レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
あずま(プロフ) - あぁ…やばい、、、鼻血でるぅ(;´Д`)ﾊｧﾊｧ (2019年1月23日 15時) (レス) id: 97c5686003 (このIDを非表示/違反報告)
みきざわ(プロフ) - えぬ=)さん» ニムラの魅力、少しでもお伝え出来ているのなら幸いです！尊敬だなんてそんな、勿体ない(笑) 嬉しいお言葉、恐縮です！ (2019年1月21日 5時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ=)(プロフ) - ああ……溶けちゃいそうです……← 本当に最高です……前作からずっと思ってたけど最高です……尊敬してます……!何故そんなににむにむの魅力を素晴らしいクオリティで書けるのか……尊敬してます(二回目) (2019年1月21日 0時) (レス) id: ae2a3cb03d (このIDを非表示/違反報告)
みきざわ(プロフ) - ハニーさん» 謹んで新年のお慶びを申し上げます！2019年がハニー様の良き年になる事を願っております... (2019年1月1日 0時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みきざわ | 作成日時：2018年12月16日 18時
